三菱地所は3月25日、東京・丸の内にシードからアーリーステージのスタートアップ、創業3年以内の大企業のカーブアウト企業を対象にしたサービスオフィス「TOKIWA BRIDGE」をオープンした。オフィスの「曜日貸し」プランを用意し、新しいワークスタイルを支援する。
TOKIWA BRIDGEは、東京駅、大手町駅、三越駅前から徒歩3分の場所にあるオフィスビル「TOKIWA ブリッジ」内の13階と地下2階の2フロアを使用。共用ラウンジのほか、個室オフィス、会議室、フォンブースなどを備える。いつでも共用スペースを利用できる「ホットデスクプラン」と、共用スペースに加え個室も利用する「個室プラン」を用意。個室プランでは、月単位での利用のほか、特定曜日のみ個室を利用できる曜日貸しを設けていることが特徴だ。
三菱地所 xTECH運営部ユニットリーダーの岩本祐介氏は「TOKIWA BRIDGEは、各社に一室ずつ貸し出すと十数社しか入居してもらえないが、曜日貸しを設けることでより多くのスタートアップに利用してもらえる。リモートワークが進み、毎日出社するわけではないが、週に一度顔をあわせたり、共同で作業できる場所がほしいというニーズにも対応できる。個室を複数社でシェアすることで、オフィスを借りる賃料負担などのハードルが下がり、スタートアップの方に使いやすくなると考えている」と曜日貸しを設けた理由を話す。
入居企業は、三菱地所が運営する常盤橋タワー3階「MY Shokudo」のほか、新東京ビル4階「Shin Tokyo 4TH ラウンジ」、大手町ビル7階「OTEMACHI BUILDING LOUNGE」など複数拠点を利用できるほか、三菱地所が手掛ける他のスタートアップ向け施設「EGG JAPAN」「Global Business Hub Tokyo」「FINOLAB」「Inspired.Lab」やビジネスクラブ「東京21cクラブ」が主催するイベントやセミナーへの参加が可能だ。
13階は会議室や個室、共用ラウンジなどをそろえ、地下2階はモノづくりスタートアップ向けに共同で利用可能なワークスペース「TOKIWA GARAGE」やイベントスペースを設置。入居企業の製品やサービスなどのプロダクトを施設に導入することで、ショーケースとアップデートの場としての役割も果たす。他企業との協業も支援していく計画だ。
利用料金は、会員ID料金に加え、個室料金(月単位/曜日単位)、追加オプションの形態になっており、4名で個室を利用した場合、月単位で借りると、会員ID(2万円×4人)+個室料金(20万円)でひと月28万円となるが、特定曜日利用で1曜日の利用にすると会員ID(2万円×4人)+個室料金(6万円)でひと月14万円になる。曜日貸しは1〜4曜日から選べ、個室は固定の場所を貸し出すため、出社するたびにオフィスが変わってしまうことはないという。
すでに23社が入居しており、空間型VR、没入自然空間「uralaa」を開発、提供するフォレストデジタルは、地下2階の会議室に没入自然空間「TOKIWA PARK by uralaa」を導入したり、PacPortの荷物認証型IoT宅配ロッカーをオフィスに設置したりと入居企業との協業もすすめる。
周辺は、2021年7月に開業した「常盤橋タワー」があるほか、2027年には「Torch Tower」の竣工を控えるなど、開発が進む。TOKIWA ブリッジは2024年12月に閉館する計画で、TOKIWA BRIDGEもそれまでの期間限定オフィスとなる。岩本氏は「閉館後は周辺施設の新オフィスへ移転を考えているが、Torch Towerへの入居も目指していきたい」とスタートアップ企業の飛躍に期待をする。
三菱地所 執行役員の井上俊幸氏は「コロナ前の丸の内では約28万人の人が働いていた。しかしリモートワークが普及し、オフィスの机と椅子に張り付いて仕事をする必要がなくなった。これから丸の内は、人と会って話したり、食事をしながら新しい人とであったりできる街にしていかなければいけない。働く以外の時間もすごしやすい場所にしていきたい。TOKIWA BRIDGEはフレキシブルな働き方ができるサービスオフィス。これからの丸の内を象徴したような空間になっていると思う」とコメントした。
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