Metaは米国時間2月2日、Appleが「iOS」に加えた変更が事業に与える影響について説明し、2022年の損失は100億ドル(1兆1500億円)になるとの予測を示した。
Metaの最高財務責任者(CFO)、David Wehner氏は決算報告の電話会見で、 Appleの「iOS」変更に伴う第4四半期の影響は、「われわれの予測どおりで、第3四半期の逆風と同程度」だったと述べた。「iOSが全般的に2022年の当社事業に及ぼす負の影響は、100億ドル規模になる見込みだ。つまり、当社事業に対するかなり大きな逆風だ」(同氏)
Appleは2021年4月にリリースした「iOS 14.5」で、デジタル広告に大きな影響を及ぼす「App Tracking Transparency(ATT)」機能を導入した。これにより、アプリ開発者はアプリやウェブサイトでの行動を追跡するのにユーザーの許可を得なければならなくなった。MetaやSnapは、この変更が業績に影響するとして抗議していた。
同氏は、Metaで「第4四半期に明らかな減速」が見られた分野の1つとしてeコマースを挙げた。さらに、第4四半期決算を今週、Metaよりも先に発表したGoogleに触れ、「Googleがまさにその垂直分野で力強い成長がみられるとしたことは、かなり注目に値する」とした。
同氏は、Googleが「Appleから受ける一連の制約は、(当社とは)まったく異なる」と述べ、AppleにはGoogleを優遇したいと考える動機があることを示唆した。iOSデバイスのデフォルト検索エンジンとしての地位を維持するために、GoogleはAppleに莫大な金額を支払うと推測されるためだ。
「eコマースが、iOSの制約によって最も大きな影響を受ける垂直分野の1つであることは明らかなため、それらの制約がおそらく、Googleの状況とわれわれの状況に違いがあることの理由の1つだと考えるのは、理にかなっている」とWehner氏は述べた。「Appleの制約は、Appleがアプリに対して求めるトラッキング要件からブラウザーを除外するように設計されていると、われわれは確信している。つまり、検索広告は当社が運営するようなアプリベースの広告プラットフォームよりも、はるかに多くのサードパーティーデータを測定や最適化の目的に利用できるということだ」(同氏)
同氏は、「AppleがGoogle検索によって莫大な年間売上高を獲得し続けていることを考えると、このポリシーの相違は、今後も間違いなく続くだろう」とした。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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