長く待たれていた、日本政府が公式に提供する「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」が12月20日よりスタートした。App StoreとGoogle Playからダウンロードできる。
新型コロナワクチンの接種を済ませていることをスマートフォンの画面を通して、公的に証明するものとなる。日本国内用と海外用の新型コロナワクチン接種証明書を取得できる。
これまで、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた取り組みの一環として、たとえば東京都はLINEを通じて新型コロナワクチンの接種証明ができ、認証された飲食店では人数の緩和措置が受けられたりさまざまな特典が得られたりする「TOKYOワクション」を開始するなど、自治体が運営するものに加え、民間が運営するデジタルワクチン接種証明サービスも複数出てきている。
それぞれサービスに特徴や工夫がある一方で、ユーザーにとってはアプリごとに登録作業が必要な上、イベントなどで活用したい側にとってもどこのものを採用するか、悩むことがあったかもしれない。今回の接種証明アプリは、日本政府が公式に提供するもので、ようやく登場した待望のアプリと言える。
利用するには、マイナンバーカード、マイナンバーカードの券面入力補助用暗証番号(カード受取の際に設定した4桁の数字)、パスポート(海外用を発行する方)が必要になる。ワクチンの接種記録は不要だ。
しかしながら、まだマイナンバーカードを持っていない人が取得するには1カ月程度時間がかかるほか、マイナンバーカードを所有していてもアプリで接種証明書を発行できない人もいる。「マイナンバーカードに旧姓併記がある方」「パスポートに旧姓・別姓・別名併記がある方」「パスポートとマイナンバーカードの氏名表記が異なる方」がその対象だ。
具体的には、マイナンバーの氏名欄に「田中[佐藤] 花子」などと括弧書きで旧姓が記載されている場合、券面右下の追記欄に「旧氏 佐藤」や「旧氏記載 田中[佐藤] 花子」などと記載されている場合となる。これらの場合以外は、旧姓併記にあたらないので、アプリで発行可能としている。
実際に旧姓併記のマイナンバーカードで試してみたところ、読み取り画面までたどり着くものの「マイナンバーカードに別名表記があるとアプリからの接種証明書の発行はできません」とはねられてしまい、そこから先には行けない。
そうした人はどうすればよいのか。デジタル庁のウェブサイトでは「近日中に対応予定」としているが、現在はデジタルでの証明書は取得できず、紙の接種証明を取得することで対応するしかないようだ。
従来は海外渡航者向けに紙の接種証明書を発行していたが、今回新たに国内向けにも証明書の発行をスタートしている。
申請は各市区町村にて行うため、在住する地域のウェブサイトなどで確認してほしいが、申請書類を同封し、郵送で申請するところが多いようだ。筆者の住むところでは、発行までにかかる時間は、申請書類一式が届いてから1週間程度で発送すると記載されていた。
料金は無料だが、接種済証または接種記録書の写しや本人確認書類の写し、返信用封筒と切手を同封して送る必要があるとしている。
なお、書類申請の本人確認書類は「返送先の住所が記載された運転免許証・健康保険証・マイナンバーカード(通知カードは不可)・在留カード等の写し」があればよいとしており、マイナンバーカードを持たない人も郵送であれば接種証明書を取得できることになる。
「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」を使ってみた--発行手順を写真で紹介 - CNET JapanCNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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