トヨタ自動車は8月25日、ソフトウェアとコネクティッドの取り組みをテーマとしたメディア向けの説明会を実施。そのなかで「ジオフェンス技術」という、走る場所や走る時間などを考慮して、リアルタイムでHEV制御を変える技術の実用化を進めていくと発表した。
同社では、2021年秋ごろにLEXUS(レクサス)の新モデルとなる新型NXを販売する予定となっているが、4年ぶりにフルモデルチェンジしたマルチメディアシステムとコネクティッドサービスを搭載するという。
説明を行ったChief Product Integration Officerを務める山本圭司氏によれば、国や地域によって、道路事情やクルマの使われ方は異なるため、グローバルワンパッケージで地域に展開するのは限界があると指摘。これを踏まえて、情報の現地現物、地域に根差した製品開発にこだわったと説明する。あわせて、地域に合った製品を考えるのに、コネクティッドの技術が役に立つと語る。新型NXでは、OTA(Over-The-Air)によるソフトウェアのアップデートも可能としている。
また、地域ごとの特徴をデータとして正しく理解することで、カーボンニュートラルにも貢献。クルマの省エネ化や省資源化も進めていく。その施策のひとつとして、ジオフェンス技術の実用化もあるという。
ジオフェンスは、俗に仮想的な境界線で囲まれたエリアとされるもの。ここでは地図情報をもとに、ゼロエミッション規制都市での走行対応を想定したものとしている。山本氏によれば、地域によって法規制によりバッテリーEV(BEV)でしか走行していけない街や区間があるとしたとき、地図情報や規制情報にあわせてリアルタイムに変えていく技術としている。
あわせて、リアルタイムに変化することがポイントとし、規制情報は場所や時間など刻々と変化する可能性があり、クラウドに規制情報があることで、制御が正確に指示できるようになるという。この技術は、近い将来に向けて商品化を進めていくが、それに先立つ機能として、場所や時間に応じたハイブリッド制御の賢い切り替えは、新型NXに仕組みとして織り込まれていると説明した。
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