パナソニック エコシステムズは8月17日、コロナ禍における除菌の徹底や、おうち時間の増加による気になるニオイを抑制する「ジアイーノ」についてオンラインセミナーを開催した。ニオイ、菌に特化し、高い効果を発揮するジアイーノの特性について説明したほか、出荷累計10万台を突破した業務用モデルなどを紹介した
空間除菌脱臭機ジアイーノは2013年に業務用の販売を開始。それ以前にも、旧三洋電機が1987年からカップ自販機用電解除菌装置として取り扱うなど、次亜塩素酸技術は長い歴史を持つ。
使用される次亜塩素酸は、安全に使え除菌効果の高い成分で、プールの除菌、水道水の浄化、食材の洗浄など広く活用されている。パナソニックは、水道水と塩を電気分解することで、次亜塩素酸を生成。本体に取り込んだ空気を次亜塩素酸水溶液で除菌する技術に加え、本体から送り出す空気に含まれる次亜塩素酸成分が、付着した菌や臭いを抑制する揮発、拡散技術を搭載する。
放出される次亜塩素酸は気体化されており、空気中の塩素ガスの環境基準(0.5ppm)より低い濃度で、有人空間での使用に配慮。「安定した濃度で脱臭、除菌を実現できる。安全性については外部機関で検証を進めている」とパナソニック エコシステムズ IAQビジネスユニット日本事業総括担当の木村敏明氏は、安全性についても言及する。
販売開始から8年が経過した業務用ジアイーノは、24~56畳に対応するラインアップを持ち、保育園や介護施設、クリニック、オフィスといった施設で活用されているとのこと。同日には、出荷累計が10万台を突破したと発表した。
一方、2017年に発売を開始した家庭用ジアイーノは、8月5日に加湿機能を搭載した新モデル「F-MV4300/MV2300」(想定税別価格:16万5000円前後/11万円前後)を発表した。
パナソニック アプライアンス社コンシューマーマーケティングジャパン本部商品センターの田頭裕子氏は「2017年の発売開始以来、着実に販売を伸ばし、2020年度は前年比から2倍以上の販売実績を記録。累計販売台数は20万台を突破している」と現状を説明する。
その背景には、新型コロナによる除菌ニーズの高まりがあり「購入者層は40代、70代以上が2つのボリュームゾーンだったが、新型コロナ以降は小学生から高校生まで子どもを持つファミリー層に拡大してきている」(田頭氏)と、販売台数を順調に伸ばす。
また、おうち時間の増加とともに、家で食事をする人が増え「キッチンのニオイが気になる」という人も増えているとのこと。次亜塩素酸による洗浄脱臭により、布製品に染みつく前にすばやく脱臭できることなどもポイントになっている。
新モデルでは、従来月1回としていた本格的な水回りの洗浄は約半年に1回でOKにするなど、使い勝手も向上。ダンパーが閉じて、除菌フィルターを通った水分を含んだ空気を送り出す、加湿「多め」運転に加え、ダンパーが開いて、乾いた空気と除菌フィルターを通った空気を送り出す、加湿「標準」運転もでき、季節に応じて使い分けられる。
ジアイーノではシンボルマークを、波線と3つのドットがあしらわれたデザインへと刷新。「波線は空気の流れを表現し、3つのドットはジアイーノの特徴である次亜塩素酸の電解生成、パッシブ効果、アクティブ効果を表現している。大切な人が安心して過ごせる空間を作りたい、安心で快適な空間を提供したいという思いやりやおもてなしの『心』から、漢字の心を意識したデザインにした」(パナソニック エコシステムズ IAQビジネスユニット商品企画部ジアイーノ商品企画課の島戸孝明氏)という。
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