Mozillaは米国時間8月10日にリリースした「Firefox 91」で、Cookieを削除するより強力な仕組みを導入した。「Enhanced Cookie Clearing」というこの新機能は、ウェブサイトだけでなく、サイトにコードを埋め込んでいるサードパーティーからの追跡も防ぐように設計されている。
この機能は特定のウェブサイトからのCookieを削除するだけでなく、脆弱なプライバシー設定を回避する、より強力なSuper Cookieも削除できるようになっている。この機能は、Firefox上でCookieの取り扱いに関して、「厳格」モードを選択すれば利用できる。厳格モードでは、各ウェブサイトのデータを分割されたストレージに格納する。
「ユーザーは、ウェブサイトがPCに格納した全てのデータを容易に認識して消去することができ、ウェブサイトに埋め込まれたサードパーティーによるデータを取りこぼすことを心配する必要はない」とMozillaはブログで述べた。
Cookieとは、ウェブサイトやサードパーティーがユーザーのブラウザーに残しておくことができるテキストファイルだ。ユーザーネームや言語設定、買い物かごの中身などを記録するのに役立つ。しかし、Cookieは企業がユーザーのオンライン上での活動を追跡するのにも利用される。例えば、自転車メーカのウェブサイトでFacebookに連携した「いいね!」ボタンを押したことで、あなたがFacebookアプリを使っている際は自転車の広告を流せば見込みがあるかもしれないとFacebookに伝えることにもなりかねない。
ブラウザー業界は今やプライバシーを最優先事項として、よりでしゃばらないウェブを構築する方法を模索している。無料のウェブサイトとオンラインサービスは、過剰に生活に密着した広告技術が背後にある場合、素晴らしいものだとはいえない。
Appleの「Safari」やBrave Softwareの「Brave」、Microsoftの「Edge」と同様、FirefoxもCookieなどの追跡技術を遮断する技術に開発リソースを割いている。巨大なオンライン広告事業を有し、パーソナライズ広告に好意的なGoogleは、苦労もありながら「Chrome」でプライバシーとターゲット広告を両立する方法を確立しようとしている。
Firefoxは20年前にMicrosoftの「Internet Explorer」が支配的になった後、行き詰まっていたブラウザーの競争を活性化するのに貢献した。しかし、Googleが2008年にChromeをリリースした後、Firefoxの影響力は着実に低下した。スマートフォンの普及もFirefoxの使用率に影響し、現在は3.4%にまで低下している。「Andorid」ではChrome、「iPhone」ではSafariがデフォルトとなっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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