メルカリ代表取締役CEOの山田進太郎氏は8月4日、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進していくため、7月1日に「山田進太郎D&I財団」を設立したと発表した。今後、総額30億円を財団に寄贈し、D&I推進に取り組む。
山田氏は、メルカリでの企業活動を通じてD&Iの推進に取り組んできたが、中長期での実施など営利企業では難しいことも多くあると感じたことから、一般財団法人として同財団を設立。ジェンダー・人種・年齢・宗教などに関わらず、誰もが自身の能力を最大限に発揮できる社会の実現を目指す。
今回、理系職種が男性に偏り、国内の女性エンジニア比率が20%に留まるなど、ジェンダーバランスが崩れていることに注目。財団最初の取り組みとして、高校入学時点で理系を目指す女性100名程度を対象とした、理系女性向けの奨学金プログラムを実施する。
募集期間は、8月4日から9月30日まで。対象高校は、日本国内の高等学校理数科、令和3年度スーパーサイエンスハイスクール指定高等学校。さらに、高等専門学校を受験し入学予定(中学校からの内部進学者を除く)も対象となる。
年額での支給額は、国公立学校で25万円、私立学校で50万円。支給は、2022年5月頃に指定口座への振り込みを予定。最大高校在学中の3年間、高専在学中の5年間の支給を予定する(継続審査あり)。支給者の決定は、能力主義ではなく抽選制。応募のハードルを下げるため、面接も行わないという(多様性などの観点から調整を行う可能性あり)。
これにより、理系科目が好き・得意であったり、理系職種に興味があるにも関わらず、周囲の環境からイメージが付かなかったり、金銭的な問題で諦めてしまっている女子学生が自身の可能性を広げるために理系を選ぶことを後押しする。
同財団によると、応募・選考・支給などのプロセスを極力オンライン化することで効率化を促し、将来的には常時1000名以上への支給を目指す。また、中長期的な課題解決として中高生教育の時点で理系を選ぶ女子学生の増加に取り組み、大学における理工学部系の女性比率を2035年までに28%まで伸ばすことを目指すという。
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