DeNA SOMPO Mobilityは6月14日、同社が運営する個人間カーシェアサービス「Anyca」において、安心・安全の取り組みをまとめた「Anyca Safety Vision」を公開した。
Anycaは、2015年にサービスを開始。現在では、クルマの累計登録台数が2万台以上(1000車種以上)、累計登録会員数が45万人以上の規模に拡大している。一方で、個人間カーシェアの心理的障壁として「他者の車を運転する」や「他者にマイカーを運転してもらう」など、相手のことが完全に把握できているわけではない不安と、事故への不安があるという。
個人間カーシェアをさらに一般化させるには、事故やトラブルなどの不安を解消が必要とし、今回、事故の不安に対して、事故時の補償を充実させる「個人間カーシェア専用保険」、事故時の対応の不安を軽減する「事故受付用カスタマーサポート」を整備したほか、人的不安に対応して健全なコミュニティを作るための「コミュニティガイドライン」、優良オーナー、優良ドライバーを認定する「認定制度」も設ける。
個人間カーシェア専用保険として、Anycaと損保ジャパンが共同で「カーシェアプロテクト」を開発。7月21日から適用する。対人賠償責任保険や対物賠償責任保険、対物全損時修理差額費用特約など、従来通りの補償内容に加え、シェアしているクルマの使用中または、管理中の盗難・衝突・接触や偶発的な事故も補償の範囲となった。詐欺・横領などの万が一のトラブルによってクルマに損害が生じた場合でも、設定保険金額を限度に保険金が支払われるという。
さらに、これまで限度額300万円だった車両補償金額に、新たに600万円と1000万円の選択肢(ライト、スタンダード、プレミアム)を用意。ドライバーがシェア時に追加することで、免責金額が0円になるオプション(1400円)も用意する。車のオーナーがドライバーの免責金額0円オプションを必須とする設定も可能だ。
そのほか、365日24時間対応可能な事故受付専用カスタマーサポートを新たに開設する。これまでは、事故などトラブルが発生した際、オーナー、保険会社の損保ジャパン、Anycaそれぞれに連絡する必要があったが、事故専門のカスタマーサポートに連絡するだけで、その後の対応を肩代わりしてくれるとしている。
コミュニティガイドラインでは、推奨している行為、禁止している行為をより明確にし、禁止している行為に対しては、引き続き利用規約に基づいた利用停止などの厳格な対応を実施する。最近、Anycaでは、ユーザー間のトラブルがSNSなどで話題に上ることも少なくないが、ガイドライン制定により、禁止行為の明確化を狙う。
認定制度では、カーシェアには欠かせない4つのポイント(シェアの時間、クルマのキズ、クルマの清潔感、シェアの実績)を基準に一定期間ごとに審査を実施。基準を満たしたユーザーをスーパーオーナー・スーパードライバーに認定する。これにより、オーナー、ドライバーともに相手が問題ない人物かを判別するための基準になるという。
こうした認定制度は、不審なユーザーの排除に役立つ一方で、実績のない新規ドライバーが借りづらい環境を作り上げる要因にもなり得る。この点について同社広報部は、「各施策を導入してみて、オーナーやドライバーの声を聞きつつ、運用しながら必要であれば修正も考える」としている。
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