LINEは6月2日、画像や動画データの扱いに関し、トーク内の画像を永続的に保管する「アルバム」や、ストレージサービス「Keep」のデータについて、国内拠点への移転時期を発表した。
アルバム内の画像データについては、新規データの国内保管を2022年前半に開始し、2024年前半までに既存データを含む国内移転を完了予定。また、Keep内の画像、動画、ファイルデータは、新規データの国内保管を2021年8月に開始し、2022年前半までに全データの国内移転を完了させるとしている。
これは、モニタリング業務を委託していた中国拠点の社員が、ユーザーの個人情報やトーク・写真(モニタリング業務の一環としてユーザーから通報があったもの)を閲覧できる状態にあったとする一連の問題に関するもので、LINEのトークルームとLINE公式アカウント、LINE Payデータのほか、韓国のデータセンターに保管されているトーク内の画像、動画、ファイルデータの国内移転を2021年6月までに完了すると3月23日に発表していた。
一方で、韓国のデータセンターに保管されているデータのうち、アルバムの画像データやKeep内のファイルは永続的に保存されることから、より多くのストレージ容量が必要のため、画像、動画、ファイルデータとは分けて移転スケジュールを設定。同社広報部によると、3月23日の発表時点でアルバムやKeepなどのデータ移転は検討していたとのことだが、両機能ともトークとは別の機能であり、トークで送受信されるデータの対象に加えておらず、結果、対外発表していなかったという。
しかし、親会社のZホールディングスが設置した「グローバルなデータガバナンスに関する特別委員会」から5月19日に、「ユーザー目線で考えた場合、アルバムやKeepなどもトークに含まれるべきものであり、3月23日の説明には不足がある」という指摘を受け、「これまでの説明にはユーザー目線を欠いた不十分な点があった」と、今回の移転スケジュールの発表に至っている。
なお、上記以外のデータを含めた移転の詳細なスケジュールについては、6月11日に予定している特別委員会の第一次報告で告知予定。本来、アルバムとKeepのデータ移転に関しては、特別委員会の客観的な検証を経た上で、第一次報告会で発表する予定だったものの、一部報道を受け、先行してユーザーに説明したとしている。
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