Amazonが、これまで仲裁によって解決することを求めていた顧客とのトラブルについて、利用規約をひそかに変更し、顧客が同社を提訴できるようにしたと、The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間6月1日に報じた。多くのアプリやウェブサイトの利用規約に仲裁条項が定められている中で、Amazonによるこの変更は多くの企業が採用する方法に逆らう動きといえる。
WSJによると、今回明らかになった規約変更は、Amazonの「Echo」製品を使用する消費者の代理人として弁護士らが起こす仲裁要求の急増に対応したものという。Amazonの以前の規約では、仲裁に要する費用はAmazonが負担することになっていたが、件数の急増を受けてこの負担額が大幅に増加したことから、同社では顧客に対して、より負担の少ない裁判という選択肢を認めることにしたとされている。
仲裁は、法廷以外の場で紛争を解決するために利用される非公開の手続きのことで、Amazonの変更前の規約にはこれに関して350語を超える説明があったが、現在ではこの部分がわずか2行になっている。
仲裁を通じた紛争解決は裁判を行う場合よりも時間がかからず、それが当事者の費用の軽減につながる場合もあるが、当事者がそれぞれ仲裁費用を負担する必要があり、それは一般的に裁判費用よりも高くなる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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