Googleは米国時間5月5日、消滅の危機にある言語の教育と保護を目的に、人工知能(AI)をベースとしたオープンソースのデジタル言語ツール「Woolaroo」を発表した。
このツールは「Google Cloud Vision API」を使って開発されており、機械学習と画像認識を利用して、写真に写っている物体の名称を先住民族の言語で表示し、リアルタイムで翻訳する。1枚の写真の中で複数の物体が検出された場合は、スクロールして選択できる。
オーストラリア北東部のクイーンズランド州にあるユガンベ(Yugambeh)博物館で最高経営責任者(CEO)を務めるRory O'Connor氏は、発表の中で次のように述べている。「世界が進化し、これまでになかった新たな技術を利用できるようになっており、オーストラリアの文化に対する先住民族アボリジニの言語の重要性を考えると、われわれにはコミュニティーの住民たちが使っている既知の言葉の中でも特に新しい言葉を記録する動機がある」
Woolarooでは、個人やコミュニティーが新しい単語や、発音に役立つ音声を投稿することもできる。
「先住民のコミュニティーにとって重要なこととして、Woolarooでは、登録項目を追加、編集、削除する権限が完全に先住民族の側に任されている。そのため、新たに覚えた単語やフレーズにすぐに対応して、自ら追加できる」(O'Connor氏)
Woolarooでサポートされている言語は、クイーンズランド州とニューサウスウェールズ州で話されているアボリジニの言語であるユガンベ語、ルイジアナ・クレオール語、ギリシャ語のカラブリア方言、マオリ語、ナワット語、タマザイト語、シチリア語、徳靖チワン語、ラパ・ヌイ語、イディッシュ語だ。これらの言語を、英語、フランス語、またはスペイン語に翻訳できる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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