Appleは長年にわたり、「iPhone」と「iPad」に組み込んだセキュリティ機能をアピールしてきた。同社は10年以上前、iPhone内の情報をさまざまな方法で暗号化できるようにした。2010年には、「iMessage」のメッセージングを暗号化する機能を実装した。2013年には、ユーザーが端末のロックを解除するのに役立つ生体認証センサー「Touch ID」を導入した。Appleは何年もかけて、これらの技術を「Mac」にも搭載できるようにしてきた。だが、「Mac mini」「MacBook Air」「MacBook Pro」向けの新たな「M1」チップにより、今後はこれらの取り組みを大幅に強化できるようになった。
Appleは米国時間2月18日、公式サイトに掲載している「Apple Platform Security(Appleプラットフォームのセキュリティ)」の文書を更新し、Macの仕組みがいかにしてiPhoneの仕組みに大きく近づいたかを説明した。この文書は、MacやiPhone内のさまざまなセキュリティシステムが相互に連携する仕組みや、Appleユーザーのプライバシーを保護する設計について、核心的な詳細に踏み込んで解説している。
Appleは200ページ近い文書の中で、「ソフトウェアのセキュリティを確保するには、ハードウェアに埋め込まれたセキュリティ基盤が必要です。iOS、iPadOS、macOS、watchOS、またはtvOSを搭載するAppleデバイスのシリコンにセキュリティ機能が埋め込まれているのは、そのためです」と説明している。
Appleほど秘密主義の企業が、ほぼあらゆる情報をこれほど詳細に公開するのは奇妙に思えるかもしれない。同社はそのデバイスと同じくらい独特のマーケティング手法で知られており、製品についてある程度の技術的詳細をウェブサイトに公開することはあるが、それらは一般ユーザーを対象としたものだ。
しかし、「Appleプラットフォームのセキュリティ」の情報は異なる。Appleはこうした情報を10年以上前、法人顧客向けに公開し始めたという。しかし間もなく、製品の脆弱性の発見で協力するセキュリティ研究者らにとっても、これらの情報が有益であることを認識した。そのため、文書には「カーネル整合性保護」「ポインタ認証コード」などの見出しが並んでいる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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