遺伝子検査の23andMe、リチャード・ブランソン氏のSPACを通じて上場へ

Natalie Gagliordi (ZDNET.com) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2021年02月05日 13時22分

 消費者向け遺伝子検査を手がける企業23andMeは、最近改めて活発に利用されている特別買収目的会社(SPAC)のプロセスを通じて公開市場に参加する。SPACはいわゆる白紙小切手会社として設立され、従来の新規株式公開(IPO)であれば一般的に実施されるロードショー(機関投資家向けの会社説明会)を経ずに上場する。

 23andMeの場合は、2021年第2四半期にVG Acquisition Corp.と合併するという。VG Acquisition Corp.は、Richard Branson氏のVirgin Groupが設立したSPACだ。合併後の企業はニューヨーク証券取引所(NYSE)にティッカーシンボル「ME」で上場する。

 23andMeは消費者にDNA検査キットを販売している。この検査キットは、健康に関する体質や家系を示す指標など、その人の遺伝形質に関する洞察が得られるという。消費者が綿棒を使って唾液に含まれるDNAサンプルを採取して23andMeに送り返すと、米国にある研究所で処理される。

 23andMeは2020年1月、従業員全体の14%を削減し、D2C(消費者向け)事業に重点を移した。DNA検査キットのブームが始まった頃には先駆的役割を担ったが、プライバシーをめぐる懸念が高まる中で売り上げは打撃を受けた。

 とはいえ、23andMEとVG Acquisition Corp.の企業価値は合わせて約35億ドル(約3700億円)になると見込まれている。23andMeの最高経営責任者(CEO)を務めるAnne Wojcicki氏とBranson氏は、2億5000万ドル(約264億円)規模となるPIPEと呼ばれる私募増資に個人でそれぞれ2500万ドル(約26億4000万円)を投資する。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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