Microsoftの共同創設者であるBill Gates氏は、人工知能(AI)と遺伝子治療こそ、暮らしを変える最も偉大な力を持つ2つの技術だと考えている。同氏は米国時間2月14日、米科学振興協会(AAAS)で行った講演の中で、AIは「複雑な生体系を解明」でき、また遺伝子に基づく各種ツールはAIDSを治療できる可能性を秘めていると語った。
コンピューターのデータ処理能力が3カ月半ごとに2倍に向上していく中で、AIの可能性はまだ認識されつつあるにすぎないとGates氏は述べた。データ処理能力の向上に伴い、AIは「人間が理解できるよりはるかに多くの次元で、合成や分析、パターンの発見、知見の獲得、予測を行える能力」を現実のものにするとGates氏は説明した。
同氏によると、AIの最も胸躍る部分は、「複雑な生体系を解明し、治療法の発見を加速させることにより、特に貧しい国々で健康状態を改善するのに役立てられる」ことだという。
一方の遺伝子編集技術は、ワクチン開発や診断、治療に役立つ。Gates氏はこの技術について、「珍しい遺伝性疾患だけでなく、主に貧しい国の人々を苦しめている病気に対して、健康状態を改善する可能性を秘めている」と述べた。
さらにGates氏は、新型コロナウイルスについても触れ、これら2つの技術が、診断テストや治療、ワクチンの開発に役立つ可能性があると述べた。
「ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、この新型コロナウイルスに対処するため最大1億ドル(約110億円)を拠出すると約束した。これが世界中の人々の健康に深刻な脅威をもたらすと考えているためだ」と同氏は述べ、「この資金は、検出および確定したケースの隔離と治療の取り組みを支援し、サハラ以南のアフリカや南アジアの国々がこの感染症に備えるとともに特に脆弱な国民を守るのを手助けし、ワクチン開発や治療および診断を加速するものだ」とした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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