新しいデバイスがこれほど使いにくければ、使うのをやめてしまうだろう。初代「Apple Watch」はアプリの起動がとても遅かったので、筆者は結局iPhoneに戻った。Surface Duoで電子メールやSlack、Zoomの使い勝手がおかしくなるなら、普通の感覚で使えるスマートフォンやタブレット、ノートPCに手を伸ばすと思う。実際に筆者はそうしていた。
スマートフォンのユーザビリティーは優れている。ほとんどの新しいスマートフォンは、素晴らしいカメラや、ほぼすべての用途に最適化されたアプリを搭載しており、タスク間をすばやく行ったり来たりすることができる。私たちはその速さを当然のこととして享受している。Surface Duoでさまざまな問題に遭遇した後だったので、スマートフォンの快適さを改めてありがたく感じた。Surface Duoが同じ速度で動けば、このデバイスを大好きになるだろう。もしかすると、使いづらさの原因のひとつは、ソフトウェアの対応がまだ十分ではないことなのかもしれない。Googleが、まだAndroidを2画面向けに完全には最適化できていないからなのかもしれない。あるいは、Microsoftが自社のエコシステムに合った2画面デバイスにどう取り組むべきなのかをまだ模索している段階なのかもしれない。それらすべてが原因なのだと思う。筆者は2画面デバイスに慣れるのに苦労しており、Surface Duoもその負担を軽減してはくれない。
より大容量のRAMやより高速なプロセッサーがSurface Duoに搭載されていたら、どうなっていたのだろうか。Qualcommの「Snapdragon 855」と6GBのRAMは、高解像度のデュアルディスプレイには不十分であるように思えるし、使っていて、それを実感する。5Gがサポートされていないことにも疑問を感じる。2020年には、ほとんどの主要なフラッグシップスマートフォンが5Gに対応しだしていることを考えると、なおさらだ。未来のネットワークに対応していないSurface Duoがどのようにして未来のスマートフォンになれるのか、よく分からない。
だが、最先端のテクノロジーを採用しても、快適な体験を実現できるとは限らない。筆者が特定のデバイスを常用するのは、それらのデバイスが思いどおりに機能してくれて、筆者もそのデバイスのことを理解できているからだ。または、(Oculus Questのように)機能や使い勝手が非常に素晴らしく、何度も繰り返し使いたくなるデバイスもある。
Surface Duoのカメラ(1つしかない)は良好だが、決して秀逸ではない。Zoomで使えているが、撮影した写真やビデオクリップの中には、期待していたほど画質がよくないものもあった。動画の自動手ぶれ補正機能は、特に不安定であるように思える。カメラは、本体がどのような状態にあるときでも利用できるように、隅の方に配置されているが、中心からかなり離れているため、本体を立てた状態でZoomを快適に利用することはできない。いつも横を見ているような印象を与えてしまう。
スマートフォンは明らかに進化している。あらゆることをこなせて、そのサイズからは考えられないほど強力な機能を持ったマシンとなっている。だが、スマートフォンを根本から作り直すのは、容易なことではない。MicrosoftがSurface Duoで本とタブレットを組み合わせたようなデザインを試している理由も、ある程度理解できる。形状は理にかなっているが、速度と処理能力、機能が追いついていない。確かに、Galaxy Z Fold2と比べると600ドル安いが、おそらく搭載されるべきだった機能が省略されているのも事実だ。
完璧な折りたたみ式2画面デバイスが、今後登場する可能性はある。GoogleはまだAndroidを2画面デバイスに完全に対応させていない。Microsoftは2021年、もう一度、Windowsベースの「Surface Neo」で完璧な折りたたみ式2画面デバイスに挑戦するだろう。このアイデアが消え去ることはない。そして、スマートフォンが最初に広く普及したときのように、もっと多くの実験的な製品が登場するはずだ。
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