Intelは米国時間5月4日、MaaS(Mobility as a Service)プラットフォームを手がけるMoovitをおよそ9億ドル(約960億円)で買収したと発表した。Moovitは都市部の交通/乗り継ぎ手段を提示してユーザーを支援する製品を開発しており、Intelがそうしたサービスに高い価値を見出したのは明らかだ。
Intelによると、今回の買収は、傘下のMobileyeの強化と、総合モビリティープロバイダーとしての同社の位置付けを盤石にする上での柱を築くために役立つものとなる。同社の最終的な目標は、自律運転で乗客を送迎するロボットタクシーのフリートを作り上げることにあり、運輸分野でのMoovitの洞察はその実現に向けた重要な鍵となる。
「Moovit」アプリを使用すれば誰でも、さまざまな移動手段を考慮してルートを決定できるようになる。電車での移動に始まり、レンタル自転車や電動スクーター、さらにはライドシェアでの移動に至るまで、Moovitはあらゆる選択肢を考慮に入れて提示してくれる。
この種のサービスは、数多くの移動手段を集約的に評価する必要があるため、Intelのような企業にとって極めて価値の高いものとなる。Moovitの有する世界規模のユーザーベースや、移動にまつわるデータ、輸送やモビリティー関連のパートナーとの強固な提携という観点から見た場合、この買収は素晴らしい投資と言える。Mobileyeは今後、Moovitのコアコンピタンスを統合し、いわば自動運転車に関する包括的な「サプライチェーン」を1つ屋根の下に作り出したいと考えている。将来的にこのアプリは、フリートオペレーションの拡大や、モビリティーインテリジェンスプラットフォームの構築に利用されると考えられる。
Moovitは過去8年で8億人のユーザーを獲得しており、3200の都市でサービスを提供している。また、同サービスは、2016年のリオデジャネイロオリンピックといった世界規模の大きなイベントでも人々の移動を支援してきた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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