サムスンは2020年第1四半期に「Galaxy S20」シリーズと「Galaxy Z Flip」を投入したが、スマートフォンの需要を喚起するには至らなかった。しかも、最悪の状況が訪れるのはこれからだという。サムスンは現地時間4月29日の第1四半期(3月31日締め)決算発表の中で、世界中に感染が拡大している新型コロナウイルスによって、今後数カ月は事業に「重大な」影響が出るとの見方を示した。
同社のメモリー事業は、在宅で仕事をする人が増えたことによるサーバーやPCの需要増の恩恵を受けている。しかし同社は第2四半期の見通しについて、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が複数の中核製品の需要に重大な影響を及ぼすため、全体の利益は前四半期から減少する可能性が高い」とした。
中でもスマートフォンやテレビなどセット商品の売上高と利益は「大幅に減少」する見込みだという。COVID-19の影響で需要が減少し、店舗や工場が世界中で休業しているためだ。同社は市場の縮小と店舗の休業によって、「利益の減少は避けられない見込み」であり、韓国および世界での「5Gネットワークへの投資も縮小または遅延する可能性がある」とした。
Strategy Analyticsによると、世界有数の巨大市場で重要な製造拠点でもある中国が新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた影響で、2月の全世界のスマートフォン出荷数は前年同月比38%減の6180万台と、過去最大の落ち込みを記録した。CCS Insightsは2020年通年でも、スマートフォンの出荷台数がこの10年で最低になると予測している。
サムスンによると、同社のモバイル事業は第1四半期、販売利益が前年より増え、売上高も約4%増となった。この四半期、サムスンはフラッグシップモデルのGalaxy S20シリーズと、第2世代の折りたたみ式スマートフォンのGalaxy Z Flipを発売したが、当該四半期の終わりにかけてCOVID-19の影響が出はじめ、出荷数が徐々に減少していったという。
サムスンの決算発表によると、第1四半期の売上高は55兆3300億ウォン(約4兆9000億円)、営業利益は6兆4500億ウォン(約5700億円)だった。前年同期は、売上高が52兆4000億ウォン、営業利益が6兆2000億ウォンだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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