3Dプリンターの新興企業Carbonの技術は、自転車のサドルや歯列矯正器具など、さまざまなものの製造に利用されている。現在同社は、新型コロナウイルスとそれが引き起こす感染症COVID-19の問題に取り組んでいる。共同創業者で会長のJoseph DeSimone氏は米国時間3月23日、同社の3Dプリンターを購入した顧客のネットワークに対して、24時間以内に医療用フェイスシールドのデザインを配布すると述べた。
またCarbonは、COVID-19の検査を目的とした検体採取に利用できる、鼻腔用綿棒のデザインにも取り組んでいる。医療機関が検体の検査を行っているが、その取り組みは初期段階にあるとDeSimone氏は述べている。同氏は2019年にCarbonの最高経営責任者(CEO)の職をEllen Kullman氏に譲っている。
このほかにも、3Dプリンティング技術を新型コロナウイルス対策に応用する取り組みはいくつかある。アディティブ・マニュファクチャリング(積層造形)とも呼ばれる3Dプリンティングは、製品の製造ペースでは従来の大量生産方式にかなわない部分があるかもしれない。それでも、3Dプリンターは柔軟性が高く、プリンター本体と、Carbonのプリンターが使用する可塑性樹脂のような原材料がそろえば、どこででも多様な部品を製造できる。
3Dプリンティングによる取り組みの中には、人工呼吸器に焦点を当てたものがある。呼吸器の症状に苦しむCOVID-19患者の急増によって、人工呼吸器も供給不足が予想されている。そのほか、新型コロナウイルスを他人に感染させるリスクの低減に役立つN95マスクも不足している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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