オンラインでユーザーを追跡しない検索エンジンとブラウザー技術を手がけるDuckDuckGoは、オンライントラッカーについて収集したデータを共有することで、ユーザーのプライバシーを保護できるようにした。
DuckDuckGoは、トラッカーに関するデータセット「Tracker Radar」をリリースした。このデータセットには、オンラインでユーザーを追跡している1727の企業や組織が利用するインターネットドメイン5326件に関する詳細な情報が含まれる。データは誰もが利用できる。ブラウザーメーカーのVivaldi Technologiesも利用し始めたという。
DuckDuckGoの創設者で最高経営責任者(CEO)のGabriel Weinberg氏は、米CNETによる独占インタビューの中で、Vivaldiより広く利用されているブラウザーを含め、「他にも利用するところが出てくるだろう」と述べた。
DuckDuckGoのブラウザーと拡張機能は2019年、2000万回ダウンロードされ、現在は1日に10万回のペースでダウンロードされているとWeinberg氏は明らかにした。
DuckDuckGoは利益を上げている企業で、従業員83人を擁する。2020年に入り、これまでに検索回数は30億件を超えている。DuckDuckGoの検索結果には、Microsoftが配信する広告が表示されるが、それらの広告はユーザーの検索キーワードに基づくものであり、他のオンラインアクティビティーに基づく広告や、個人情報を収集して配信される広告ではない。
Weinberg氏は、Tracker Radarのデータを公開することで自社のブラウザー拡張機能の「収益を減らす」可能性があることを認めたが、Weinberg氏は、「オンラインでの信用の水準を高めることが当社のビジョンだ」とし、「このビジョンは利益を得ることに勝る」と述べた。
トラッカーをブロックすれば、動画の再生が妨げられる、オンラインでの取引が中断する、ログイン処理が失敗するといった問題が生じる場合がある。DuckDuckGoはこのような問題を確認しており、同社のブラウザーと拡張機能では、個人情報を公開することのないコードでこの問題に対処しようとしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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