日本医療機器開発機構(JOMDD)は1月14日、国際医療福祉大学および、東京大学と自動精子選別装置の開発に関する共同研究契約を締結したと発表した。
JOMDDと国際医療福祉大学・河村和弘教授、東京大学・池内真志講師らは、精子細胞の運動性や形態の判別に加えて、良好と判断された精子細胞の選別までの自動化を目的とした共同研究を開始。聖マリアンナ医科大学にて発明された技術をベースとしたもの。
JOMDDは、精子の自動検知・運動性/形態解析が可能なプログラムおよび、精子細胞の選別装置の開発に取り組む。
具体的には、熟練の胚培養士が判定した良好精子像をディープラーニングを組み合わせて機械学習させることでアルゴリズムを構築。精子細胞の検出および、当該精子細胞の運動性/形態パラメータを迅速かつ自動で提供する機能を搭載し、胚培養士の判断を支援する。
現在開発中の製品(プログラム+装置)は、医療機関向けに年内の発売を予定している。
JOMDDによると近年、女性の社会進出などを背景とした晩婚化や出産の高齢化により、いわゆる妊活への意識が高まるなか、人工授精・体外受精・顕微授精などの不妊治療への需要も増えており、関連する生殖補助医療の治療実施件数も伸長しているという。
また、過去の研究では、不妊の原因の約40〜50%は男性側にも要因が存在することが報告されており、無精子症や乏精子症、精子無力症等の造精機能障害を有する男性不妊を中心に、運動性や形態が良好な精子の選別に対する重要性が一層高まっている。
しかし、現状精子の選別は胚培養士による目視と手作業で行われているため、胚培養士の知識や経験に依存している部分が大きく、胚培養士による選別精度のばらつきが懸念されている。また、技術習得の難しさや手技にかかる時間、顕微授精の手技件数の増加を受け、作業に伴う胚培養士への負担も増加。医療施設では胚培養士の人材不足も課題となっているという。
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