積水ハウスは1月7日(現地時間)、世界最大の技術見本市「CES2020」において、「在宅時急性疾患早期対応ネットワーク HED-Net(In-Home Early Detection Network)」を構築したと発表した。
HED-Netは、住宅内で住まい手のバイタルデータを非接触で検知・解析し、急性疾患発症の可能性がある異常を検知した場合に緊急通報センターに通知。オペレーターが呼びかけにより安否確認を行い、救急への出動要請、そして救急隊の到着を確認し、玄関ドアの遠隔解錠までを一貫して行う仕組みで、同社によれば世界初という。
脳卒中などの急性疾患は早期の治療が重要となるため、早期発見と緊急対応が回復のカギを握る。
脳卒中、心疾患、溺死、転倒・転落などによる社会コスト(医療費・介護費・本人や家族の労働損失額、企業の生産性低下)は、8兆4000億円~8兆7000億円とされており、HED-Netをはじめとしたプラットフォームハウス構想を実現した場合、9千億円~1兆9千億円(約10~21%)を削減できるのではないかとしている。
今後は実際の住まいでの検証を含めた開発に向け、HED-Netの社会実装を2020年中に開始する。研究室や病室とは異なる、人の暮らしに寄り添った環境で開発し、生活者参加型のパイロットプロジェクトになるという。
またこのサービスは「安否確認システム」として国内のシステム特許を取得しており、さらに国際特許出願中としている。
HED-Netは、2019年のCESで発表した「プラットフォームハウス構想」をもとにプログラムを推進している。
「人生100年時代の幸せをアシストする家」を目指し、まずは「健康」のサポートに取り組む。特に家で発症する可能性の高い「急性疾患」へ早期対応するサービス開発として、HED-Netを起点に、今後「経時変化」「予防」へとサービスを拡張する方針だ。
さらには健康への取り組みだけでなく「つながり」「学び」のサービス開発も進めており、順次発表予定としている。
プラットフォームハウス構想には、コニカミノルタ、日本電気(NEC)、エヌ・ティ・ティ・コムウェア、プレミア・エイドらが賛同。積水ハウスは、これらのパートナーらと共に研究開発を進めていく方針だ。
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