大日本印刷(DNP)は11月28日、渋谷スクランブルスクエアに、国内外の最新IoT機器(ガジェット)を実際に体験できる「boxstaの詳細はboxsta(ボクスタ)」をオープンした。12月25日までの期間限定だ。場所は、2階のPOPUPスペース「Space2」。
boxstaでは全25点の最新IoT機器を展示。そのうち14点はクラウドファンディング「Makuake」の製品がラインアップし、ほか11点はDNPが手掛けるアプリやスマホに取り付ける美顔器「NOFL smart」など独自に選んだ製品などが展示されている。
boxstaは、次世代型ショールーミング店舗と銘打つ。店舗内にカメラ(映像)とマイク(音声)を設置して、商品に対する来店客の属性や行動導線、態度、感情、音声データを取得し、出品企業にレポートとしてフィードバックする、リアルな行動や声をマーケティングデータ化できる店舗だ。なお、収集したデータは、画像や音声解析を経て個人が特定されない形に加工している。
DNPによれば、現時点において映像に加えて音声データの解析までが可能な店舗はボクスタだけという。出品企業は、発売前・発売直後の商品に対する顧客の生の声を効率的に収集するテストマーケティングの場として活用できるメリットがある。
DNPは、量販店などのチラシや店内POPといった印刷物や店頭の什器などを手掛けている。生活者とメーカーとの接点を持つDNPが、よりよいシナジーを提供できないかと新規事業の一つとして手掛ける初の店舗がboxstaだ。
「ショールーミングはどちらかというとネガティブに捉えられがちだが、メーカーとしては商品をしっかり見て、体験して買ってくれるという意味ではどこで買われてもいい」(DNP 情報イノベーション事業部 C&Iセンター 第1インテグレーテッド・コミュニケーション本部 第2プランニング部 第1グループ グループリーダーの浅野陽介氏)
一部の製品にはboxsta限定のクーポンが掲示されている。また、購入できるサイトへのQRコードをチラシにまとめ、配布している。
平日の午前中は女性客が多く、家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」やスマホ美顔器「NOFL smart」などが人気を集めていた。
DNPでは、今回の運営結果を目指し、2020年度にセンシング技術とAI技術を組み合わせた次世代型のショールーミング店舗の事業化を目指す。「店舗の常設としくみ自体を提供することの両方を考えている」(浅野氏)とのことだ。
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