Facebook最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏が米国時間10月23日、ふたたび米連邦議会の公聴会に出席し、Facebookに関する弁護を行なった。しかしこれまでのところ、議員らの理解は得られていない。
Facebookの共同創設者であるZuckerberg氏は、同氏に対する懐疑的態度をあらわにした議員らから、さまざまな問題について厳しい追及を受けた。Facebookが計画している仮想通貨「Libra」に対する深刻な懸念に加えて、Facebookによるヘイトグループの運営支援、ロシアによる選挙干渉、データ漏えいと誤解を招く政治広告など、追及は多岐にわたった。
米下院の金融サービス委員会が開いた今回の公聴会は、Libraを対象としたものになるはずだった。Libraとは、Facebookが主導し、グローバルデジタル通貨とすることを目指す仮想通貨のこと。しかし、出席した議員らの質問は開始直後からFacebookの事業運営に対する広範な批判へと展開していった。
質問の圧力と内容は、Zuckerberg氏が1年前に出席した公聴会とはまったく対照的なものだった。1年前の公聴会では、Facebookの事業運営について議員らはほとんど何も知らず、Zuckerberg氏はほぼ無傷で逃げ切ったかに見えた。それに対して今回は、議員らが十分な準備をして公聴会に臨み、Zuckerberg氏に対してより敵対的な態度でより洗練された質問を投げかけた。
「Facebookの長年にわたる社内モットーは『move fast and break things』(素早く行動し破壊せよ)だった。Zuckerbergさん、われわれは国際通貨体系を破壊してほしくはない」と、Nydia Velazquez下院議員(ニューヨーク州選出)は23日の公聴会で述べた。
議員らは、Zuckerberg氏に対して、Libraについての詳細を質問したり、さまざまな問題について同氏を批判したが、いっぽうで彼らはLibraが米国ではなくスイスで立ち上げられることに不快感を示し、それに対する懸念を繰り返し指摘した。それに対してZuckerberg氏は、管理団体のLibra Associationは自分がコントロールしているわけではないとして回答を避けた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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