スマートホームやスマートビルは機能性や利便性が高いのだろうが、新築物件で最初から一貫性のあるアーキテクチャでシステムを構築しない限り、複数メーカーの多種多様なデバイスを、ばらばらなタイミングで導入することになる。その場合、全体を統一的に管理する手段が用意されていないといった理由で、デバイスの設定は手間がかかる。
これに対しAppleは、スマートホームのシステム管理やデバイス設定を省力化する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間9月26日に「MODULAR WALL UNIT SYSTEM」(公開特許番号「US 2019/0296506 A1」)として公開された。出願日は3月19日。
この特許は、スマートホームやスマートビルの構成要素となる、壁などに取り付けるタイプのデバイスに関する技術。デバイスはモジュール式になっていて、異なる機能のデバイスをそれぞれ必要とされる場所に設置可能だ。
各デバイスは相互に通信する機能を備え、通信した結果からデバイス間の距離を計測できる。さらに、こうして得た複数のデバイス間距離データを使って、住宅やビルのフロアマップを作れるという。このようなフロアマップが自動的に入手できれば、デバイスの設置場所などが把握しやすくなり、設定作業が楽になるだろう。
距離を計測する技術としては、通信に使う信号の位相角を調べる方法に触れている。また、方角を知るため、電子コンパスのような磁力センサーを利用するアイデアに言及している。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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