Googleが計画を進めている新たなインターネット・プロトコルの使用に関して、独占禁止法違反を調査する米議会関係者らの間で、この計画が同社に不当な競争優位性を与えるのではないかとの懸念が高まっていると、Wall Street Journal(WSJ)が米国時間9月29日に報じた。議会関係者らは、Googleが新プロトコルを商用目的のデータ収集に利用するつもりかどうかを調査したいと考えている。
米下院司法委員会はGoogleに宛てた9月13日付けの書簡の中で、同プロトコルの「採用または採用推進に関する(同社の)決定」について情報を求めたとWSJは報じている。
DNS-over-HTTPSと呼ばれるこの新しい規格は、トラフィックを暗号化し、ハッカーらによるウェブサイトのなりすましを難しくすることにより、インターネット上のプライバシーとセキュリティを向上させることを目的としたもの。Googleは10月に「Chrome」ブラウザーのユーザーを使ってこの新プロトコルのテストを開始する計画だという。
データ企業各社が消費者のプライバシーに関連するデータをどれだけ収集してきたかを消費者自身が把握するようになるなか、プライバシーは今や最優先事項となっている。たとえば、Facebookユーザー約8700万人分のデータを英Cambridge Analyticaが本人の許可なく取得していた件では、Facebookはいまだにその対応に追われている。
Googleが計画する新しい規格には、インターネット上の競争を変える可能性がある。ケーブル会社やワイヤレス事業者はユーザーのDNS閲覧データという貴重なデータにアクセスできなくなり、Googleがユーザーデータに関する不当な優位性を得るのではないかと、企業各社は懸念している。
今回の報道に関して、Googleの広報担当者は「Googleには人々のDNSプロバイダーをデフォルトでGoogleに集中化したり変更したりするつもりはない」とし、「われわれが暗号化された集中型DNSプロバイダーになろうとしているという主張は正しくない」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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