「暇な時はライブ動画配信アプリを見る」という10代が増えている。また見るだけでなく、タレントなどではない一般の中高生が自らライブ動画を配信する例も増加中だ。10代のライブ動画配信アプリの利用実態とリスクについて見ていきたい。
動画配信機能があるアプリは多い。いま人気があるアプリは何かご存知だろうか。AppApeによると、ライブ動画配信アプリの利用者は急増しており、2018年6月から2019年6月にかけて、ライブ動画配信機能を持つトップ10アプリの月間利用者数は、295万人から447万人へと伸びている。
人気トップは20代がメインの「TwitCasting(ツイキャス)」。2位はアイドルによる配信が多い「SHOWROOM」で、40代男性のユーザーが多いという。「LINE LIVE」はタレント・モデルによる配信が多く、ユーザーには30〜40代の男性が多い。
一方、ゲーム配信で知られる「Mirrativ(ミラティブ)」は10〜20代ユーザーが多い。「MixChannel(ミックスチャンネル)」は約9割が女性で、中高生が73%と大半を占めている。そのほか、「YouTube Live」「ニコニコ生放送」「Instagram」のライブ配信やストーリーズなどを見ている子もいる。「17Live(イチナナライブ)」、韓国アイドルのライブ配信が見られる「V LIVE」なども人気が高い。
配信される動画にはアプリごとにカラーがあるため、好みの動画が多いアプリや、お目当ての配信者が使うアプリを選ぶユーザーが多いようだ。
SHOWROOMは、中でもユーザー数が伸びているサービスだ。2016年8月から2018年10月までに、月間アクティブユーザー数は3.3倍に増加している。欅坂48やAKB48などのアイドル、アーティストの他、一般ユーザーも動画配信ができる。
視聴者はアバターとして配信画面上に参加し、動画に対してコメントをしたり、ギフティングという方法で配信者にアイテムを送ったりして、応援できる。ギフティングできるアイテムには無料と有料があり、有料アイテムを送られると配信者の収益につながるようになっている。「コメントをしたら返事とかくれるし、ギフティングで喜んでくれる。生ライブに気軽に参加できるのが嬉しい」とある女子高生はいう。
タレントやモデルなどが配信するライブ配信を見たいというのは理解しやすい。しかし、実際は一般ユーザーも配信している。まだまだ「見る専門」という中高生のほうが多いが、配信する子も増えているようだ。
時々配信しているというある女子高生は、「最初はやっぱり見ているだけで、正直、配信している子は自分のこと好きなのかなとかちょっと引いていた」という。そんな彼女が配信したきっかけは、「Instagramでライブ配信とかして動画配信に慣れたこと。友だちとノリで生配信したら楽しかったから」という。
初回は告知もしなかったが友だちが見に来てくれて、コメントで盛り上がったという。2回目以降はTwitterでも告知したところ、「知らないTwitterのフォロワーさんとかも見てくれて、コメントでやり取りしながら配信したら楽しかった」。それからも時々配信しているが、少ないながらも固定ファンがついたことが嬉しかったそうだ。
つまり、動画配信アプリを使えば、中高生の見てもらいたい、主役になって発信したいという願望を手軽に叶えることができるというわけだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」