商品棚をスキャンするロボットや人工知能(AI)を活用して、在庫や営業に関するインサイトを小売業者に提供するSimbe Roboticsが、シリーズAの資金調達ラウンドで2600万ドル(約28億円)を獲得した。ソフトバンクロボティクスとのインベントリーファイナンス契約も引き出した。
エクイティーファイナンスとインベントリーファイナンスを組み合わせた今回の珍しい資金調達は、Simbeが製造しているようなスキャンロボットが急速に普及していることを示している。スキャン用ロボットは、わずか2年前にはほとんど耳にしなかった分野だ。だが今では、SimbeのライバルであるBossa Nova Roboticsのロボットが、Walmartの数百の店舗に配備されている。Pensa Systemsは、商品棚をスキャンするドローンを製造しており、戦略的投資を行うAnheuser-Busch InBevと共に、実店舗での試用を行っている。Simbeは、食料品店チェーンのGiant Eagleなどと戦略的提携関係を結んでいる。
商品棚スキャンロボットの将来性をめぐる盛り上がりに首をかしげている人がいるかもしれないが、昨今の多くのテクノロジー企業と同様、本当の価値はハードウェアではなくデータにある。
今回のエクイティファイナンスを主導したVenrockのパートナーDavid Pakman氏は、「Simbeチームは、これまでは手に入らなかった在庫や価格設定に関するデータを収集し、小売分野で最も興味深いデータセットの1つを構築している」と説明し、「小売業は変わりつつあり、現代の環境で成功するために店舗はモダナイズしなければならない」と述べた。
このようなロボットが店舗で走行しながら収集するデータと、強力なアナリティクスを組み合わせることで、1兆7500億ドル(約190兆円)に及ぶ「ゴーストエコノミー」を解消し、効率を高めることにつながる。ゴーストエコノミーは、在庫切れや不適切な価格の設定、業界全体で製品の配置が最適化されていないことなどによる経済的損失を指す。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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