経済産業省の特許庁は、人工知能(AI)関連発明の国内出願状況を調査し、その結果を発表した。それによると、2017年におけるAI関連発明の出願件数は3065件で、前年の1858件から大幅に増えている。そして、2509件の出願があった1991年を第2次AIブーム、出願が急増した現在を第3次AIブームとした。
特許庁のAI関連発明とは、AIコア発明とAI適用発明を合わせたもの。AIコア発明は、ニューラルネットワークや深層学習(ディープラーニング)、サポートベクタマシン、強化学習などを含む機械学習技術のほか、知識ベースモデル、ファジィ論理といった、AIの基礎となる数学的または統計的な情報処理技術が特徴となる発明と定義。付与される特許文献分類、File Index(FI)は、主に「G06N」だという。一方、AI適用発明は、AIコア発明を適用した画像処理や音声処理、自然言語処理、機器制御、診断・検知・予測・最適化システムなどの発明を指す。
2017年に出願されたAI関連特許は、ニューラルネットワークを含む機械学習技術が多く、特に深層学習に関する発明が急増しているという。具体的には、AI関連発明の約半数が出願書類中で深層学習技術に言及していた。また、2017年のAI関連特許のうち、G06Nが付与されたものは約3分の1に相当する924件。
適用されている分野は、画像処理(G06T)が456件でもっとも多く、344件の情報検索・推薦(G06F16/)が続く。伸び率は、制御・ロボティクス関連分野が高いそうだ。
AI関連の国際特許分類(IPC)であるG06Nが付与されている出願も各国で増加傾向にあり、米国と中国の出願件数が突出して多い。
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