ソフトバンクとKDDI、地方での「5G」ネットワークの早期整備で協力

 ソフトバンクとKDDIは7月3日、両社が保有する基地局資産を相互利用し、地方における第5世代移動通信システム(5G)のネットワークの早期整備を共同で推進することに合意したと発表した。

 今後の日本社会は、高齢化や労働人口の減少、地方の過疎化、インフラの老朽化、自然災害の大型化など、多くの課題が待ち受けており、これらを解決するため政府が提唱するSociety 5.0の実現に向けた取り組みが進められている。Society 5.0によって広がる超スマート社会は、全ての人とモノがつながり、ビッグデータやAI(人工知能)の活用に必要な大量の情報共有が求められることから、5Gネットワークの早期整備が期待されていると説明する。

 特に地域の課題解決においては、5Gネットワークを活用した高解像度映像伝送による遠隔監視や遠隔操作のほか、データ収集・解析などによる生産性向上が実現でき、地域企業やスタートアップ企業と共に地場産業の活性化に貢献できるという。

 5Gネットワークは、28GHz帯や3.7GHz帯のような高い周波数帯を用いるため、全国整備には膨大な数の基地局の設置や、長期にわたる工事と多額の投資が必要になる。そのため、これまで以上に事業者間での「インフラシェアリング」による効率的な基地局の整備を推進し、地方創生に資するサービス提供のニーズに早期に応えることが求められている。

 両社では、5Gネットワークの地方展開を加速するべく、基地局資産の有効活用を目的とした工事設計や施工管理などを進めるための、共同施工管理会社の設立を視野に入れて検討するという。まずは、両社で準備室を設置し、今秋から北海道旭川市内、千葉県成田市内および、広島県福山市内で共同実証に取り組む。工事設計から施工管理までのプロセス効率化を図ると共に、5Gネットワークの品質向上効果や地方における整備期間の短縮効果を検証する。

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