PropTechに特化したベンチャーキャピタルが立ち上がった。投資額は最大10億円規模。シード期のスタートアップを対象に、投資と事業拡大に向けた支援を実施していく。
立ち上げたのは、6月に設立したばかりのデジタルベースキャピタル。代表を務める桜井駿氏は、NTTデータ経営研究所で戦略コンサルティング部門の統括責任者、マネージャーとして、不動産・金融分野のデジタルトランスフォーメーション、オープンイノベーション支援のプロジェクトなどを手がけたきた。2017年12月からは、不動産、建設スタートアップのコミュニティ「PropTech JAPAN」を立ち上げ、現在850名以上が参加している。
PropTechとは、Property×Technologyの造語。電子化、デジタル化が遅れていると言われている不動産業界をテクノロジーの力で変えていく、クロステック領域の1つで、不動産テックとも呼ばれる。
桜井氏は「米国ではすでにPropTechに特化したベンチャーキャピタルが設立され、スタートアップの数はもちろん投資金額も増加している。不動産は投資、住宅ローン、家賃保証、保険、クラウドファンディングなど、金融との親和性も高く、数多くの事業機会がある巨大市場」と、PropTechの将来性を話す。
一方で「不動産、金融業界は、利用者保護の観点から規制が厳しく、業界特有の慣習や専門性が求めらる」とし、業界構造や規制を理解し、すでに既存会社とのネットワークを持つベンチャーキャピタルの必要性を説く。
デジタルベースキャピタルでは、不動産と金融領域のシード期のスタートアップを対象に、投資と事業拡大に向けた支援を実施。ファンドへの出資者には、イタンジの創業者である伊藤嘉盛氏をはじめとする個人投資家、日本橋兜町を拠点としてスタートアップ支援を推進する平和不動産らが名を連ねる。
今後は、ファンドからの投資活動に加え、大手事業会社と連携したアクセラレタープログラムの運営などの取り組みも予定。9月20日には、日本初となるPropTechに特化したスタートアップピッチカンファレンス「PropTech Startup Conference 2019」を開催する。
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