総務省は6月18日、「モバイル市場の競争促進に向けた制度整備案」を発表した。携帯電話の途中解約時には9500円の違約金が発生するが、この上限を1000円とする内容などが盛り込まれている。違約金の水準を最低限にすることで、携帯キャリア間の移行コストを抜本的に引き下げる狙い。
1000円という金額設定ついては、総務省で利用者アンケート(6000人)を実施した結果、他事業者への乗換え意向がある者(2847人)のうち、違約金支払い意思のある者(1758人)の8割以上が、許容できる違約金のレベルは1000円と答えたことを理由に挙げている。
「移行に係るスイッチングコストを低下させ、事業者間の競争を促進させるには、期間拘束のある契約の解除に要する違約金の額を抜本的に引き下げる必要がある」(総務省)。
また、携帯端末の割引額の上限を2万円としたほか、契約期間の上限は2年まで(違約金がない場合は除く)とした。「端末代金の値引きなどの上限は、通信・端末の各市場の競争が有効に機能するよう、当面は厳しいものとすべき」(同)。
さらに、2年契約がある場合とない場合のプランの価格差を月額170円に規制した。現在は2年契約をしていない場合、携帯大手3社の通信料金は月あたり1500〜2700円ほど高くなる。違約金がなかったとしても、仮に料金差が月1500円だった場合、7カ月で割高になってしまうと総務省は指摘。
6カ月以内に、携帯キャリアや通信契約を見直す利用者にとって、より自由な選択ができるよう、6カ月分の通信料金の差額と、新たな違約金の水準(1000円)が均衡するように、料金差の上限を月170円に設定したと説明した。
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