著名投資家のMary Meeker氏による年次レポート「Internet Trends」によると、米国では消費者の需要にけん引されて、医療分野が着実にデジタル化しているという。このトレンドは、ヘルスケア用ウェアラブル機器のような消費者向けツールが使われるようになったことに最も顕著に表れているかもしれないが、デジタル化は、医療エコシステム全体で進んでいる。病院管理者は記録管理システムをアップデートしており、研究者は大量の新しいデジタルデータにアクセスするようになった。そして、医師はよりデータ駆動型でパーソナライズされた形態の医療を提供するようになっている。
ベンチャーキャピタルファンドBond Capitalの創設者で、ベンチャーキャピタル企業Kleiner Perkins Caufield & Byers(KPCB)のパートナーでもあるMeeker氏は、1995年からインターネットの統計とテクノロジーのトレンドを追ってきた。同氏によると、医療業界のデジタル化は、米国における医療費の上昇(消費者と政府にとって切迫した問題である)と相関関係にあるという。いくつかの評価基準によれば、米国では、消費者がほかの国々に比べて比較的高いコスト負担を強いられているだけでなく、コストによる成果も芳しくないという。
このような状況の中で、患者は医療に関する意思決定への関与を強めるため、さまざまなデジタルヘルスツールをますます利用するようになっている。2015年と比較すると、より多くの米国人がオンラインの健康情報やオンラインプロバイダーのレビュー、モバイルヘルストラッキング、ウェアラブル、ライブ映像による遠隔医療を利用するようになった。
患者が医療従事者により早くアクセスできるようにするデジタルサービスも人気が高まっている。オンラインの医療機関検索プラットフォーム「Zocdoc」を使用して予約する患者の数は2012年以降着実に増えている。レポートでは、創業2年のスタートアップであるSolvも取り上げている。Solvは即日の診療や待ち時間なしの緊急医療を予約できるサービスを患者に提供する。
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