「理想の人生をつくろう」などと言われると一見怪しげだが、もちろんそんなことはなく、とても堅実な方法を使って、自分が理想とする人生を実現しようという提言だ。その堅実な方法が「習慣を変える」あるいは「新しい習慣を身につける」ということである。
たとえば、朝起きてまず一番にすることを考えてみる。スマホのアラームを止めて、メールやLINEをチェックするのかもしれない。ではスマホがなかったら、何をしていたはずだろうか。特段意識していなかったとしても、これは、「朝起きたらスマホを見る」という習慣が身についていることになる。それが良いとか悪いとかの問題ではなく、そういうちょっとした「習慣」で、自分の一日ができているのだと意識し始めると、本書で提案されている「うまく自分を乗せて習慣化できるようになる」方法を取り入れることで、自分の一日が違った方向に向き始めるのではないかと思える。
本書では、具体的な作業を習慣化するための方法のほかに、感情や環境を転換するための方法についてもさまざまな提案がなされているのがうれしい。一人で煮詰まっているときには、一方向からしかモノが見えなくなりがちだが、ふと見たページに助けられるということもある。本書はそんな本になりそうだ。
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