最近は、いたるところでAmazonの「Alexa」のような音声対応アシスタントに出くわす。だが、Alexaの利用者層は若者が中心だ。Forbesの最近の調査報告によると、「Amazon Echo」ユーザーの24%は18~29歳、20%は30~44歳だ。
Scott Moody氏が5年前に立ち上げたK4Connectは、Alexaなどの最新テクノロジを高齢者に届けることにフォーカスしている。この事業は、見過ごされているが大きな可能性を持つ市場だとMoody氏は米ZDNetに語った。その上、高齢の米国民のためのテクノロジを導入し、高齢者がそれらのテクノロジを利用するのを観察することは、優れた製品を開発するのに何が必要かについて、ヒントを与えてくれるという。
Moody氏は米ZDNetに対し「高齢者特有の問題がある」と語った。音声で起動するアシスタントの場合は、「(ユーザーの)声の抑揚や聴力レベル、かなり高齢の場合は声の高さや震えなど」に対する調整が考えられる。とはいえ、優れた設計の製品は、高齢者だけでなく、身体障害者や、製品の性能に疑いを持っている人など、どのような利用者に対してもなめらかなユーザー体験を提供するべきだとMoody氏は付け加えた。
「『テクノロジ』という言葉は不十分な設計に対する婉曲表現だ。テクノロジが本当に問題なく機能すれば、人はそれをテクノロジとは呼ばない。例えばラジオ、テレビ、洗濯機」あるいはAlexaと呼ぶとMoody氏。
同氏は、Alexaなどのテクノロジを高齢者に届ける市場の可能性や、K4Connectの取り組み、事業からこれまでに得た知見について語った。以下はそのインタビューの一部だ。
「高齢者や身体障害者について語るとき、多くの人が見守りについて語る。だが、私はよく冗談めかして言うのだが、人は2歳になれば見守られるのを嫌うものだ。それは年をとっても変わらない。本当に語るべきなのは、高齢者がより独立した生活を、より健康に、より社会とつながりを持って過ごすためにどうすればいいのかなのだ。われわれがサービスを提供している高齢者にとって重要なのはこうしたことであり、単に見守ることではない。
Moody氏は、高齢者向けテクノロジはピント外れなことが多いとして、以下のように語った。
「よくあるのは、25歳向けのアプリを開発したとして、そのアプリのフォントサイズを大きくしただけで高齢者向けとすることだ。開発者は『ほら、どうせ高齢者はテクノロジが嫌いなんだ』と言う。だが実際は、高齢者は25歳向けに設計されたテクノロジが嫌いなのだ」
「これは、私の娘の祖母が(幸いなことに)娘と同じ服を着ないからといって、祖母が服が嫌いなわけではないのと同じだ。祖母は自分に似合い、着心地がよく、生活に合う服が欲しいだけだ。つまり、高齢者が使いやすい、さらに重要なのは日常に価値を追加するテクノロジを設計すれば、高齢者はそのテクノロジを使うということだ」
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