Appleはこのテクノロジに秘密裏に取り組み、無人運転電気自動車の完成度を高めているかもしれないが、Amazonはどうだろうか。
Amazonも同じようなことに取り組んでいる可能性があるが、その場合は「Amazon Prime」の特典と結びついたものになり、「PrimeRide」といった類いの名前が付けられると思う。
最初は、人間が運転する従来型の配達用バンがこのサービスで使用されるだろう(電気自動車、またはガソリン車のいずれもあり得るが、Amazon最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏が電気自動車技術や無人運転技術の成熟を待つとは思えない)。
これらの車両が、Whole Foods Marketの配達とAmazonの地域宅配の両方を担うと予想される。配達をしていないときは、乗客を乗せたり、バンの車内で軽食や飲み物といった一部の商品を販売したりすることが考えられる。
Amazonは「UberEATS」のようにレストランの料理や食料品を配達するサービスを「Amazon Restaurants」や「Prime Now」で既に提供しているので、これはそれほど突飛な話ではない。
さらに、1台にしろ、2台目にしろ、駐車場に1日中停めておくだけの自動車を所有したくないと考えている郊外の通勤者向けに、Amazonは自宅で拾って職場まで送り届ける手頃なサービスも提供するのではないか、と筆者は考えている。
Amazon Web Services(AWS)を擁するAmazonであれば、ビッグデータ、その他のアナリティクスや機械学習の手法を使って、午前と午後の送り迎えの経路を考え出すことができる。
Amazonが次にUberかLyftを買収して、ライバルを排除する可能性もあると筆者はみている。
Amazonは、筆者がAppleで予想するようなユニークな自動車を開発することはないと思う。Appleの自動車は、デザイナーのSyd Mead氏が描いたようなデザインで、最大4人が乗車できるポッド型の乗り物になるかもしれない。
AmazonがTeslaや大手の自動車メーカーと協力して、カスタマイズされた複数人乗り自動車を製造する可能性もあるが、その必要はない。Amazonは既製の自動車だけでサービスを提供できるからだ。
AmazonはWhole Foodsの買収で得た資産を活かして、それぞれの店舗を事業拠点にし、これらの自動車の燃料補給や充電を行えるようにしたり、ドライバーを交代させたりすることが簡単にできる。
この2社の話のいずれかが実現したら、自動車業界は深刻な打撃を受けるだろう。レンタカー企業の整理統合がさらに進むことも、ほぼ間違いない。従来のライドシェアリングサービスを提供する企業も重大な課題に直面するだろう。それらの企業は完全に姿を消すかもしれない。無人運転電気自動車が技術的に成熟するだけでなく、より広く普及した場合は、特にその可能性が高い。
筆者は自分の自動車が大好きだ。だが、自分の自由があること、そして、自動車について心配する必要がないのは、それ以上に好ましいことだと思う。
読者の皆さんは、Appleの自動車やPrimeRideで移動したいと思うだろうか。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境