「日報ボット」や「社内FAQボット」でビジネス現場を変革するL is B - (page 2)

チャットボットは、社内の業務効率も変える

 橫井氏によると、このようなフィールドワーカー向けだけでなく、オフィス社内向けにもチャットボットを活用したさまざまなソリューションが生まれているという。

 たとえば、「社内FAQボット」では、社員がチャットボットに質問をすると、チャットボットがナリッジベースをもとに回答。もしも適切な回答がない場合には、回答できる可能性がある社員をチャットボットが推薦する。そこでトークルームに招いて回答を求めると、チャットボットはその内容をさらにナリッジベースに蓄積していくのだという。これにより、同じ質問が社内を飛び交うことを避けられるようになる。「大きな投資をして社内FAQを構築しても活用されないのは、メンテナンスが難しいから。社内FAQボットで社内専用の“知恵袋”がどんどん構築できる」(橫井氏)。


社内FAQボットのイメージ。

 また、「超過勤務申請ボット」は、社員がチャットボットに残業理由や残業予定時間を送信すると、上司に残業申請がプッシュ通知されるもので、許可されると社員のチャットボット上に通知が届く。これにより、同じ部署の社員が複数の拠点に散らばっている場合などには、紙と印鑑がなくても残業申請と承認が可能になるという。

 加えてこの超過勤務申請ボットは、専用のソフトウェアと組み合わせることで働き方の見直しにも効果を生み出せるという。具体的には、残業申請ボットは決められた時間になると社員のPCをロックしてしまい、残業理由や予定時間などを添えて残業申請をしなければPCでの作業が再開できない仕組みだ。これにより企業は「誰が」「誰の指示(許可)で」「何のために」「どれくらい」残業しているのかを把握できるという。また、不必要な残業を軽減できれば、企業にとっても大きなコストカットに繋がる。

 「長時間労働が社会問題になっているが、“残業してはいけない”はナンセンス。企業の成長のために必要な残業はある。残業を禁止するのではなく、“必要な残業をしやすくする”、“必要な残業がない人はしなくていい”と明確にすることが必要ではないか。このソリューションでは残業の実態を見える化できる。仕事は上から降ってくるものばかりではない。社員がなぜ残業しているのかを上司が把握する必要があるのではないか」(橫井氏)。


定時になるとPCが自動でロックされ、延長するには残業申請が必要になる

残業申請をデータとして蓄積することで、実態把握が可能になる

 こうしたチャットボットの事例を紹介した上で、橫井氏は「ビジネスで本当に使えるチャットボットとは」という問いに対して、「重要なのは“何ができるか”ではなく、“どのような課題を具体的に解決できるか”ではないか。すると、企業のビジネス環境の中でちゃんと使い続けてもらうことができる」とコメント。斬新さやインパクトを重視したものではなく、ビジネスの現場が抱える課題や手間を解消して“役に立つ”と実感できるチャットボットが求めれていると説明した。

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