ドコモR&Dセンターで公開した最新5G技術--「5G Tokyo Bay Summit 2015」 - (page 2)

 5Gの高速化の技術展示では非直交多元接続(NOMA)の伝送実験が展示された。すでに発表されている技術であるが、既存周波数帯を高速化するもの。電波の強弱で重畳し、高くなった端末側の処理能力を活用して重畳された部分を分離する。今回、端末側のチップセットベンダーも共同実験に加わったことで、端末側とセットで開発すべき技術開発が進むことも期待される。


非直交多元接続NOMA伝送実験の設備

実際に近くにある端末との間で通信速度が28Mbpsから43Mbpsへ改善された ドコモのアンテナ

NOMAの仕組み

端末側のデコード技術が重要となる

 低遅延のデモでは、ヘッドマウントディスプレイを用い、200ms、50ms、5msと3段階で遅延を確認できた。将来の遠隔医療などには、遅延のない伝送特性が必要ということがよくわかった。


低遅延が求められると想定される新サービス

ヘッドマウントディスプレイとカメラで遅延を体感。遅延により、手がグーなのに後ろのディスプレイはパーのままだ

 遅延のないネットワークを実現するためには、5Gの無線区間が非常に遅延のないシステムであることに加え、サーバを5Gネットワークに近づけるといった対応も必要になるという。

 非常に高い周波数帯を活用する際に必要なのは伝搬特性の把握だ。超多素子アンテナを使って電波の到来方向などを計測し、反射などの特性を把握してノウハウを蓄積していく。壁面の反射ひとつとっても、壁面の表面の状態で大きく変わるため、超多素子アンテナを使った計測は欠かせない。


手前が送信アンテナ、奥が超多素子アンテナで受信中。20GHz帯の伝搬状態を確認中

電波の受信方向を確認できる。実際には反射もあるので、さまざな方向から電波が来ている

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