さて、Appleのウェブサイトを見ると、MacBookはノートブック型コンピュータのラインアップの中では、一番左に配置されている。
Appleは必ずしも、この並びや各モデルに上位、下位という順位をつけているわけではないが、左からMacBook、MacBook Air 11インチ、13インチ、MacBook Pro 13インチ、15インチという順番を見ると、MacBookが最も身近でカジュアルなマシン、MacBook Proはプロユースに向けたマシンというターゲットが透けて見える。
筆者はMacBook Airとイメージが重なる、非常に薄型化されたMacBookの登場を受けて、当初はMacBook Airを引き継ぐ存在になるのではないかと予測した。しかしながら、実際に触れてみると、その予測とは異なる感想を持った。MacBookには、いくつかの制限があるように思われるからだ。
まずCore Mプロセッサ。冒頭で触れた通り、2011年モデルのMacBook Airと同等の処理性能と言われている。だからといってパフォーマンスに不満があるか、といわれるとそうではない。
ただ、プロユーザーがビデオやグラフィックスを快適に編集する用途にはもちろん向かないが、ビジネスでたくさんのアプリケーションを同時に活用しながら使う用途にも心細い。
また、グラフィックスは内蔵のIntel HD Graphics 5300を搭載しており、4K表示を行えるはずだが、発売されているUSB-C Digital AV MultiportアダプタにあるHDMI端子を接続しても、ディスプレイ側では4K表示ができなかった。またAppleは自身ではUSB-CとThunderBolt2(DisplayPort)を変換するコネクタをリリースしておらず、現状MacBookから4K表示ができない状態だ。
グラフィックス関連でもう1点気になるのは、ビデオ通話などに使うFaceTimeカメラ。他のモデルでは720pのHDカメラを搭載しているが、MacBookはこれより解像度が低い480pのSDカメラを搭載するにとどめている。カジュアルユースであっても、ビデオ通話やセルフィ(自分撮り)は使われるだろう。また、ディスプレイがRetina化されたことも、SDカメラの画質がより粗く見える原因になってしまっている。
このあたりが気になる場合、MacBook Pro 13インチ、もしくは今後Retina化される可能性のあるMacBook Airを待つのも良いかもしれない。
MacBookは、これまでiPhoneとの組み合わせからiPadを選んできたユーザーがステップアップする際にぴったりの1台だ。
しっかりと文字をタイピングできるキーボード、iPhoneより広く同じように高精細なRetinaディスプレイ、そしてiPad Air 2の2倍の厚さと重さではあるが、十分に軽く質感の高いボディ。iPhoneとのカラーコーディネートに対応できる点もポイントだ。
iPadの売り上げ低下の傾向は変わらないが、このMacBookの存在はそのトレンドに拍車をかける可能性がある。iPhoneとiPadは同じiOSで連携しやすかったが、OS X Yosemiteによって、Macでも十分にiPhoneと組み合わせやすくなった。
魅力的なデザインとともに、非常に現代的なMacのスタンダードとしての1台を送り出したApple。今後のラインアップの展開がますます楽しみだ。
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