マーケティングを「再発明」する--Kaizen Platformの野望 - (page 2)

マーケティング活動そのものを「再発明」したい

 これまではABテストによる効果改善が中心だったKaizen Platform。4月に大幅アップデートした「Kaizen Platform K2」では、2年間の事業展開で蓄積したデータやノウハウをもとに、改善施策ごとに複数ポイントの効果を計測できるようにしたことで、より顧客に適した改善施策の設計や評価が可能になったという。

 たとえば、ECサイトの商品一覧ページから、商品詳細や購入確認・完了といったそれぞれのページへの遷移も効果測定できるようになった。「これまではテストページとコンバージョンしか把握できなかったが、その間のページでは商品を買わないけれどお気に入りに登録した人などはいる。そうした幅広い行動パターンにも対応できるようになった」(瀧野氏)。

  • 各改善施策の効果測定レポート

  • 改善案を募る公開プロジェクトの一覧

  • 複数ゴールを軸にした効果比較

 年齢や性別によっても行動パターンは異なる。たとえば、サービスにFacebookアカウント連携で登録した人と、メールアドレスで登録した人では、閲覧したい情報は違うはずだ。そうしたユーザーごとのセグメントに紐付いて、クリエイティブを出し分ける施策なども、一部のウェブサイトでは始めているという。

 また、蓄積した改善施策の検索・ソート機能を強化することで、過去の結果を参照しやすくした。さらに、ABテストを実行するために挿入するJavaScriptタグを異なるドメインでも共通して利用できるようにしたことで、テスト実施前の検証動作確認の作業効率を上げられるようにしたという。

 須藤氏は、過去数千回にわたるウェブサイト改善の累積データを分析したところ、「テスト回数を増やすほど改善率が上がることが分かった」と説明。今回のアップデートによって、顧客企業のPDCAサイクルを速めることで、より効率的にウェブサイトを改善できると話し、将来的には「企業のマーケティング活動そのものを『再発明』したい」と意気込む。


 また、そのためにはいかに導入企業の“意識改革”をするかが重要だと説く。「僕らのサービスはきっかけでしかない。企業内でどうやって効果を上げていくかを考える文化を持ってもらうことが重要。そのために共に効果を見ながら、ツールとコンサルティングの両軸で改善を支援する」(須藤氏)。

 2015年は海外展開も進めるとしており、すでに数社と商談しているという。海外では「Adobe」や「Optimizely(オプティマイズリー)」などABテストサービスを提供する大手プレーヤーもいるが、現状はKaizen Platformのような総合的なプレーヤーは少ないため、グローバルにおいても早期に優位なポジションに立ちたいとしている。

 国内事業にも引き続き注力する。現在は、どちらかと言えば大手企業向けのサービスだが、中小企業向けにシンプルな低価格プランなども提供する予定だ。また2014年7月には、福岡市内のIT企業11社と連携した「福岡グロースハックネットワーク」を立ちあげたが、今後もこうしたグロースハッカーの育成や雇用を目的とした活動を続けたいという。


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