また、Logic Proに内蔵されている多くのプラグインとバーチャル楽器には、iPadにもそれぞれ専用のコントロール画面が用意されている。キーボードベースの楽器には、演奏可能なキーボードに加え、本物が備えているべきさまざまなつまみや操作ボタンが表示される。
触覚でのフィードバックがないため、iPadの画面で正確な演奏や表情豊かな演奏をするのは非常に難しい。また、1度に画面に表示できるのは、1オクターブから2オクターブまでで(設定依存)、実際に演奏に使えるのは片手だけだ。しかし、iPadの画面を使うことで、素早く簡単にノートの情報を入力したり、バーチャルギターネックを使って演奏したり、最小限の操作で基本的なコードやアルペジオを設定することもできる。
Logic ProはAppleの一般ユーザー向け音楽アプリであるGarageBandと同じDNAを共有しており、一方の使い方を知っていれば、もう一方も比較的簡単に使い始めることができる。とはいえ、Logic Proは初心者が一晩がんばってマスターできるような種類のソフトではない。
また最近は、多くのプロフェッショナル向けレコーディングスタジオではPro Toolsが使われており、自宅とスタジオの間でセッションを転送するのが難しい場合もあることは念頭に置いておくべきだろう。さらに、本物の楽器やギター、ベース、ボーカルなどを録音したい場合、Macに高品質な音声信号を取り込むには、高価なマイクや、I/O機器、プリアンプを必要とするため、そういった機器や、有名ブランドのプラグイン(Auto-Tuneなど)にも費用がかかることも覚えておく必要がある。
しかし、200ドルのLogic Pro Xは、必要になると考えられるよりもはるかに多くのツールやサウンド、楽器がパッケージされている価値の高いソフトウェアであることを考えれば、プリアンプや追加のプラグインはなくてもいいかもしれない。また、iPadのリモコンアプリを使うことで外付けの何百ドルものコントロールサーフェス代を節約できる可能性もある。読者がMacユーザーで、すでに競合するほかの音楽アプリやプラグインプラットフォームに大きな投資をしているのでなければ、Logic Proは、Appleが単独でハードウェアとソフトウェアの両方を作ることで、この両面をいかにシームレスに統合できるかを示す非常に素晴らしい例となるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」