Logic Pro X 10.1は、プロフェッショナルも熟練したアマチュアのオーディオエンジニアやミュージシャンも満足できる大量のツールキットを200ドルで提供している。とはいえ、まだ業界標準はいろんな意味でPro Toolsであり、もしプロ向けのレコーディングスタジオに作業内容を持ち込み、追加のレコーディングやミキシングを行うつもりなら、そこで用意されているのはPro Toolsである可能性が高い。また、機能は制限されているが、それでもかなり使える無料版Pro Toolsである「Pro Tools | First」が最近リリースされたことで、Pro Toolsに投資する前に使い方を学べるようになったことにも注意が必要だ。
しかし、Logic Proの秘密兵器は、間違いなくiPadをリアルタイムコントロール用のコントロールサーフェスとして利用できることだろう。iPadの画面を、フェ―ダーの操作や楽器の演奏、プラグインの調整などに使用できる。これまで長年の間、Pro Toolsやその他のソフトウェアで、数多くのハードウェアやソフトウェアのコントロールサーフェスを試してきたが、iPadとLogic Proの組み合わせは驚くほど簡単に設定でき、リアルタイムで動作する。この組み合わせは非常に柔軟な使い方が可能で、一度この複雑なソフトウェアの基本的な仕組みを習熟してしまえば、Logic Proを音楽のアイデアをその場で形にしていくツールとして使うことができる。
Logic Pro Xで大きくアップグレードされた点の1つに、一種のAIドラマーとして曲の演奏に使用される、ドラマープロフィールの追加がある。
ドラマーは基本的に同種のドラムループの集合で、任意のドラマーのパターンをほかのドラムキットに割り当てることもできる。より重要なのは、どのループも演奏を聴きながら調整できることで、よりラウドにしたり、ソフトにしたり、複雑さを増減させたり、違うシンバルやキック・スネアのバリエーションを使わせたり、フィルインを増減させたりすることが可能だ。ベースギターなどのオーディオトラックにタイミングや複雑さを合わせさせることさえ可能で、この場合演奏に合わせて自動的に修正される。
バージョン10.1では、テクノやハウス、ダブステップなどを含む、さまざまな電子音楽やヒップホップのスタイルでビートを刻む、10人のドラマーが追加された。また、新しい「Drum Machine Designer」プラグインでは、いくつかのスタイルのカスタムエレクトロニックドラムキットで使用可能な、新しいサウンドや機能が利用できる。
この「バーチャルドラマー」のアイデアは、「Strike」や「BFD」などのプラグインアプリで登場してからしばらく経つが、Logic Proのドラマーも概して似た働きをする。知識のある人が使えば、シンプルなドラムループよりも表現力が高いものを作れるが、新しいドラマーやカテゴリにも、まだループっぽさが残っている。パターンやキットの修正にある程度時間をかければ広がりも出せるが、用意されたジャンルはポップス向きであり、ジャズやロック、ポップス、R&B、電子音楽以外のタイプ向けのものはほとんどない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」