ソフトバンクが専門部署を立ち上げて挑むフォロワー数No.1の企業アカウント - (page 2)

「いいね」数は未来に通じる顧客名簿、飽きさせない投稿で着実にファンを獲得

--完全に可視化されていますね。

河合:可視化しないとやりたいことができないですから。逆に可視化すれば、自分のやりたいことを継続的にできる会社なので、SNSにおいても可視化することはとても重要だと位置づけています。

高橋:こうした取り組みもフォロワー数がいてこそ効果を発揮します。ただキャンペーンの告知だけでは、フォロワー数は増えない。そのために必要なのが、地上戦を担当する部隊です。この2つが一緒になって弊社のSNSはできています。

  • ソフトバンクモバイル マーケティング・コミュニケーション本部WEBコミュニケーション部ソーシャルメディア課課長の亀田輝行氏

亀田:キャンペーン告知などはSNSのキラーコンテンツ的位置づけですが、そうした情報ばかりでは飽きられてしまいます。地上戦に当たるFacebookでは、ファンを増やすことだけでなく、エンゲージメントを高めることを目標に取り組んでいます。

 Facebookページを見るとお分かりいただけるのですが、投稿内容は新サービスの告知から社員紹介、箸休め的なネタまで多岐に渡ります。現在弊社のFacebookページには110万人のファンがいますが、一つ一つの投稿を全員が見てくれているわけではありません。ですが私たちとしては常に注目してほしい。そのためバラエティに富んだ情報を提供するようにしています。

 例えば毎週月曜日には社員紹介をしていますし、10月3日は「登山の日」だったので、それに絡めて衛星電話サービスを紹介しました。

  • 投稿内容はすべてGoogleカレンダーで管理している

--ネタ探しはどうやっているのですか。

亀田:週に一度の会議で決めています。登山の日のような「○○の日」、新サービス、キャンペーン告知など投稿内容はすべてここで調整しています。

 通常、企業アカウントのFacebook投稿は1日1投稿が望ましいと言われていますが、私どもでは1日2~3投稿を目安にしています。もちろん見ていただけていないのに次の投稿を出しても効率が悪いですから、朝、昼、夕方など、反応が多い時間帯を狙って投稿するようなスケジュールにしています。

--撮影などもすべてソーシャルメディア課の方が担当されているのですか。

亀田:はい。納得がいかないと撮り直しもします。先日端末のカラー展開を訴えたくて作った投稿のときのことですが、社員の人に端末の色と同色の洋服を着てきてもらって撮影しました。ただそれだけなんですが、ちょっとイメージと違ったんですね。もう少し秘密めいていてかつ楽しそうな感じかなと(笑)。再度昼休みに再度集まっていただいて、撮影し直しました。この投稿は約1万人以上の方に「いいね!」を押していただきました。

 やはりネタを出すなら自前が一番いいと思います。社員が実際どういう声をもっているかも含めて伝えていけますから。

高橋:こうした生活に溶け込んだ情報発信をできるのがSNSの面白さだと思います。製品のスペックはCMでも伝えられますが、SNSは親しみやすさや面白いなと思ってくれる気持ちを伝えられる。ソフトバンクのファンを増やすことができるのです。そういう意味では現在いるファン数の半分は弊社のユーザーではありません。

亀田:SNSを見てファンになっていただいて、ソフトバンクに興味を持って、ファンになっていただけたらありがたいと思っています。いつかユーザーになってくれるかもしれない人たちに対してもアピールしていく。その辺りは全部つながっていると思います。

高橋:Facebookページを見ているファンの方が、いつか乗り換えてくれるかもしれない。そのベースの顧客名簿を作っているということかもしれませんね。

  • 端末のカラー展開を訴えるため、端末のカラーと同じ色の洋服をきた女性モデルを撮影したという。モデルはすべて社員

  • 「○○の日」は投稿に欠かせないネタの一つ。こちらは「登山の日」に投稿したもの

  • 「招き猫の日」は、招き猫が売られているショップの写真を投稿。招き猫の中に1つだけ「お父さん」が置いてあるという仕掛け

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