パイオニアが「スマートループ」で目指す渋滞ゼロの世界--データサイエンティストに聞く - (page 3)

プローブ情報から見えてくる未来のドライブの形

  • 「サイバーナビ AVIC-0009」シリーズ

--ここまで蓄積されたプローブデータ、渋滞情報以外にはどんな活用が考えられますか。

 いろいろと考えているのですが、一つは次の目的地をお勧めすることです。例えば東京ディズニーランドに行かれたお客様が次に停車するのはガソリンスタンドが多いというデータがあります。これは遠方からいらしたユーザーが自宅へ帰る際、とりあえずガソリンを満タンにしたいからなのですが、このデータを元に、ディズニーランドから出たユーザーに「一番近いガソリンスタンドは○○です」とご案内する。ガソリンスタンドを探そうとしているユーザーに対し、先読みしてご案内することで、快適なドライブをサポートできると考えています。

 また、プローブデータを蓄積していくと、ブレーキがよく踏まれる場所が自然に見えてきます。それはもしかたら道路の形状が悪いのかもしれない。また観光地で駐車場を探しているユーザーが多ければ、その施設に対して駐車場の数が満足でないということもわかります。そうしたデータは都市開発の面でも役に立つと思います。

--データサイエンティストとしてお仕事されていて、面白いと思うのはどんなところですか。

 天気や休日によってユーザーの方の行動がガラっと変わるところかもしれないですね。天気がよければ出かける人が増えますし、休日には遠出する人が多い。以前、ETC搭載車は休日の高速道路が1000円で走れるという割引制度がありましたが、あの時走行距離が平均で100km伸びているんです。そうした社会的な動きの変化は非常に興味深いですね。

 プローブデータ自体は他社でも集めていますが、パイオニアのように信号待ちの台数や時間、交差点を曲がる時にかかった時間など、ここまで多種多様なデータを集めているところは少ないと思います。スマートループアイのように画像収集できる企業もほかにみたことがありません。また様々な車種に展開しているので、ユーザーの年齢層や職業なども幅広い。種類の多さと質の高さでは、自信があります。

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