アップル「WWDC 2013」、開幕直前--うわさと期待の製品を最終チェック - (page 4)

Josh Lowensohn (CNET News) 翻訳校正: 編集部2013年06月10日 07時35分

新たなサービス

 新たな音楽サービスが開発者向けカンファレンスで発表されるだろうか。以前にそのようなことはあった。2011年のWWDC基調講演で発表された「iTunes Match」がそうだ。今回の場合、うわさの中心は、PandoraのようなAppleのインターネットラジオサービス(「iRadio」と一般に呼ばれている)だ。

 Appleは、音楽レーベルとの契約を急いで進めている。直近ではWarner Music Groupとその音楽出版部門Warner Chappellとの間で契約を締結している。その目的は、iOSデバイス向けの広告付き無料サービスの一環として、楽曲をストリーム配信することにある。Appleは、世界最大のレーベルであるUniversal Musicと既に契約し、ソニーとの契約に向けても取り組んでいると、米CNETは以前にも報じている。もしこれが間に合えば、WWDCでサービスのプレビューを見ることができるかもしれない(編集部注:米国時間6月7日、AppleがSony Musicと契約を締結したと報じられている)。


提供:Sarah Tew/CNET

 Appleは、音楽サービスを世に出すことについて、多くの動機がある。全く別のサービスだが、ライバルのGoogleは、サブスクリプション型の音楽プログラムを5月の開発者会議で発表しており、iOS向けにもリリースする予定だ。一方で、Amazonも独自サブスクリプションサービスのリリースに向けて複数の音楽レーベルと交渉中だと、The Vergeは3月に報じている。この交渉に詳しい複数の情報筋は米CNETに対し、これらはまだ極めて予備的なものだと語っている。

 忘れてはならないのは「iCloud」だ。問題の多かった「MobileMe」サービスの後継にあたるiCloudは、発表されてから2年が経過したが、まだまだ改良の余地がある。これには、コンシューマーの目に触れる部分に加えて、開発者が自身のソフトウェアにiCloudの機能を統合するために提供されるものが含まれる。代表的な問題点はサービスの料金だ。同サービスは、ユーザーに5Gバイトを無料で提供するが、有料の容量拡張で与えられるのは、Dropboxと同じ料金で半分のストレージだ。Googleが提供するプランと比較しても見劣りする(いずれも「Android」デバイス上で利用可能だ)。また、開発者は、自身のアプリケーションにiCloudのストレージやデータ同期ツールを組み込むのが困難だと、不満も表している

新たな「iPhone」と「iPad」はない

 最後に、しかし、明らかに特に指摘するのに値することだが、新たなiPhoneまたはiPadを今回のWWDCで目にすることはないだろう。Appleは、新型iPhoneを発表する舞台としてWWDCを過去に利用したことがあった(具体的には2010年の「iPhone 4」だ)。しかし、10日のイベントでこのようなことが起きる可能性は極めて低い。

 1つの重要な事実がこのことを裏付けている。それは、新型iPhoneがiOSの新バージョンリリースと時期を同じくして登場してきているということだ。一方で、先に述べたように、Appleは開発者に頼りながら、数カ月を使って同ソフトウェアの一般リリースまでにバグを修正する。その一般リリースは通常、新型iPhone発売の数日前となっている。さらなる事実として、Appleの最新iPhoneモデルは8カ月余り前に出たばかりだ。スマートフォン業界では長い期間だが、Appleが過去に各モデルを出してきた間隔よりも数カ月短い。

10月にiPad miniを発表するAppleのPhil Schiller氏
10月にiPad miniを発表するAppleのPhil Schiller氏
提供:James Martin/CNET

 iPadについては、状況はもう少し複雑だ。Appleは、2012年10月に第4世代iPadをリリースした際、多くの人を怒らせた。それは、第3世代モデルの登場からほんの数カ月しかたっていなかったからだ。最新モデルが発売されてからまだ7カ月だが、旧モデルにヒントを得たデザインを採用する新バージョンをAppleが準備しているとのうわさは、既に多くある。

 この筋書きに輪を掛けるように、ケースメーカーのGumdrop Casesは、次世代iPad用に59.99ドルの保護カバーを既に用意しており、同社によると情報筋に確認した仕様と合致するようにできているという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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