一方、「しておけばよかった」として上位に挙げられたのが「家族といざというときの連絡手段や行動について事前に取り決め」(36.0%)、「予備のバッテリーや電力を持つ」(32.3%)となっており、「情報はよく確認してから取り入れる」(21.9%)、「政府などから発表されるオフィシャルな情報だけでなく、多方面から情報を収集」(20.2%)、「マスメディアだけでなく、ネットなどを使って多方面から情報収集」(19.3%)なども5人に1人程度が感じたようである。
第一生命経済研究所の宮木由貴子氏(ライフデザイン研究本部 主任研究員)が以下のようにコメントしている。
「今回の震災では“想定外”とされる地震規模に加え、前例のない原発事故が加わり、流通する情報の信頼性の担保が難しい状況にあった。しかもソーシャルメディアの普及をはじめとするマスメディア以外からの情報発信の量が膨大だったため、いたずらに情報量が多く、その見極めが非常に難しい状況に陥った。情報が多様な状態で情報量が多いという状況は、人々に安心感をもたらさず、むしろ行動指針を見失って不安感が募るケースが多いと考えられる。居住地をどうしたらよいか、食品不安にどのように対処したらよいかという点についても、こうした不安感が人々を最もリスクをヘッジする行動に向かわせるのは必至である。首都圏については、直下型の地震の危険性も指摘されている。地震以外にも、豪雨や大雪など、首都圏は人口が多い分、自然災害による被害が季節や時間帯、曜日によっても大きく異なり、被害や対策の想定が極めて難しい。こうした中で、いかにして情報を整理し、無駄のない動きができるか否かを、東日本大震災から少しでも学び取っていく必要がある」
ネットエイジア/第一生命経済研究所