今後の“三種の神器”は、「スマートフォン」「スマートパッド」「クラウド・SNS」だと孫氏は言う。ソフトバンクは、グーグルの「Google Apps for Business」を導入。iPhone、iPad、Google Appsなどを導入し、「全社員がIT武装」だと説明する。中でもソフトバンクテレコムでは、IT導入後、1人当たりの契約件数が1.8倍になり、獲得回線数は2.2倍に伸びるなど、大きな成果をあげているという。
「ソフトバンクはほとんどが、SNSだとかクラウドを積極的に使う企業カルチャーがある。電話の会社ではなく、モバイルインターネットの会社であり、それが一番の(他社との)差別化の要因」とし、利益率の高さの理由の1つと説明した。
孫氏は「2週間前に無謀な宣言をした」と明かした。社内で“紙”のコピーなどを禁止するもので、「社内では紙を使うのは人間ではないと宣言した」という。すでに役員会では半年前からペーパーレスで会議をしており、役所など紙でないと受け付けない場合や店のパンフレットなどの例外を除き、「通常の社内の業務はコピーをゼロにし、さらに1人当たりの生産性を上げる。全社員がGoogle Appsを使っているとなると、紙で出す理由がない」と強気だ。
実際、この決算発表会でも紙資源の削減のため、事前に資料をダウンロードしてくるよう、記者らにも連絡があった。結局会場の各席には紙の資料が用意されていたのだが、「次回からは、PCやiPadがないと手元で見られないという状況になるので、予め予告する」とした。
孫氏は、これまでクルマなど“製品”が主役だった時代から、“情報通信”の時代にチェンジしていると説明する。「世界のトレンドは変わっている。そこ(モノづくり)にノスタルジーを感じてこだわって行き過ぎると、部品屋さんに成り下がり、下請けの孫請けの会社に成り下がってしまう。製品だけではなくクラウドも含めたトータルのビジネスモデル。ソフト、ハード、クラウドの戦略を持たないと成り立たないという時代が来ている」。
ソフトバンクが筆頭株主となっている企業は900社にのぼるという。「ソフトバンクの価値は通信会社と思い込んでいる人が多く見受けられるので、リマインドしたい。ソフトバンクはインターネットカンパニー。900社を持ったインターネットカンパニー。通信の会社も買収したが、モバイルインターネットをやるために買っているだけで、本業はインターネットであるということをリマインドしたい」と語った。
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