名刺管理でソーシャルを使う--無料クラウド名刺管理に賭ける三三 - (page 2)

岩本有平 (編集部)2012年02月28日 13時15分

 データ化については、Link Knowledgeでこれまで人力での入力のノウハウがあります。Eightではそのノウハウをもとに新しいシステムと専用のオペレーターを用意しています。ただ、入力の仕組みや項目などは法人向けのLink Knowledgeとは異なります。また将来的にはクラウドソーシングの仕組みを使った運用も予定しています。

 料金は基本無料ですが、人事異動の情報やバックアップ機能、一括メール配信機能といったプレミアムサービスを年内にも開始する予定です。詳細はまだ未定ですが、ニーズに合わせて必要な機能だけを課金するということを考えています。また広告でのマネタイズもあると考えています。

 無料はチャレンジングなことだと思っていますが、無理な挑戦ではありません。年内100万ユーザー、枚数にして1000万枚のニーズを見込んでいますが、2年くらいで黒字化したいと考えています。

 また、もともとサービスをグローバルで展開することを考えています。国別でApp Storeのビジネスカテゴリを見てみると、海外でも名刺管理アプリの人気は高い。これは相当なチャンスがあると思っています。現時点では、英語にするか中国語にするかを検討しているところです。仕組みとしては難しくありません。課題は(言語ごとの)オペレーター。クラウドソーシングはそこに関わります。すでに半年くらいテストも実施しており、めどは立ってきました。

--現在はiOSのみの対応ですが、Androidやフィーチャーフォンへの対応を予定していますか?

 Android版の完成度は8割といったところです。マーケティング的な観点からも提供を考えています。ベータテストから正式公開のタイミングでアプリをHTML5ベースに切り替えており、工数もそれほど発生しないと考えています。一方でフィーチャーフォンに関してはターゲットにしていません。また、現在はアプリで名刺を撮影する必要がありますが、スキャナーとの連携機能も提供を検討しています。

--ソーシャルグラフを使って連携する、というのがEightの考え方ですが、LinkedInなどは名刺にあるような情報をそのままソーシャルグラフで共有しています。彼らは競合なのでしょうか。

 将来的にはあるかもしれませんが、我々は競合と思っていません。我々が今解決したいのは名刺管理であり、そのためにソーシャルを使っています。LinkedInはすばらしいサービスですが、名刺管理を解決するかというと、そうではありません。解決すべき課題は違いますし、むしろ連携していきたいと考えています。

--ちなみにEightというネーミングの由来は何なのでしょうか。

 もともとは(社名の三三にかけて)数字の「3」をひっくりかえして、もうひとつ「3」を組み合わせれば「8」に見える、というところがありました。また8を横にすれば「∞」の記号になります。人と人のつながりは無限大ですよね。そして、名刺交換をしている人を上から見ると、「8」に見えなくもない、ということでこの名称になりました。

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