しかしここは容赦なく現実的に考えよう。Net Applicationsの10月の統計によると、ブラウザ利用の内訳は、パーソナルコンピュータの94.2%に対して、スマートフォンやタブレットは5.5%だという。モバイル端末は重要だが、昔ながらのPC市場にもまだまだ活気がある。
また、Flash Playerは、デスクトップPCやノートPCのブラウザの間で、非常に幅広くインストールされている。「Internet Explorer 9」や、「Firefox」「Safari」「Opera」「Google Chrome」のあらゆるバージョンよりも普及している。現在開発者で、オンラインゲームを作成している人なら、Flash Playerをベースにするのが良いだろう。
Flashは時代遅れの技術だとして、あらゆる冷笑が浴びせられているが、Flashには、現在のウェブ標準の多くにひどく欠けている、安定性や互換性がある程度備わっている。HTMLやCSSの新機能は頻繁に登場している。しかし多くの場合、開発者は、そうした新機能を安全に使用できるときや、互換性のあるブラウザでのみ有効になるように「-moz」「-o」「-webkit」「-ms」というプレフィックスだけを使って呼び出される必要があるときを心得ていなければならない。
特殊効果用の3D CSSアニメーション機能は、Firefoxでまだサポートされていない。Internet ExplorerとWebGLの3Dグラフィックスについて、Microsoftが力を入れている様子は今のところない。ハードウェアアクセラレーションを利用した、2Dグラフィックス向けのCanvasも、成り行き次第といったところだ。
その未来ははっきりしている。こうしたテクノロジは成熟しつつあり、重要なものになる運命だ。AppleからZyngaまで、あらゆる企業がウェブ標準に熱心に取り組んでいる。
しかしFlashは今ここにあり、便利で、多くのプログラマーがその使い方を知っている。Flashには、多様な動画のコピー防止保護機能がある。Flashで動いていて、今後アップデートされない可能性が高いオンラインゲームは数多く残っている。「Flash Player 11」は、ゲームに効果的なハードウェアアクセラレーション対応3D機能を備える。これは、例えばUnityのゲームエンジンを使っているプログラマーが、自らのゲームの多くでFlashを使えるほど効果的だ。筆者の母親から息子にJacquie Lawsonの電子グリーティングカードが送られてきたら、息子はそれを見るのにFlashが必要になる。「Gmail」は、複数のファイルを添付ファイルとして同時にアップロードする際に、Flashを使っている。
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