RIM、ノキア、そしてキャリア各社の描くスマートフォン戦略--NTTドコモ社長も登壇 - (page 2)

文:Marguerite Reardon(CNET News) 翻訳校正:中村智恵子、長谷睦2011年02月17日 11時03分

 世界中の通信事業者がiOSソフトウェアやAndroidを搭載したデバイスを端末している主な理由は、消費者がこうした端末やサービスを求めているからだ。しかし、携帯通信事業者は、これらのプラットフォームの一部として開発されたサービスや機能が、いずれ通信事業者そのものを脇役に追いやるのではないかという現実的な不安を抱いている。GoogleとAppleが、アプリケーションやアプリケーションストアサービスを介して消費者にあらゆる価値を届ける一方で、通信事業者は基本的な接続サービスを提供するだけになってしまう。つまり、通信事業者は単なるパイプと化すというわけだ。

 「最も重要なことは、『ダムパイプ』になってしまうことをどう防ぐかだ」と、同じく16日の基調講演にパネリストとして参加していたNTTドコモの代表取締役社長を務める山田隆持氏は言う。「スマートフォンの登場で、われわれ(通信事業者)がダムパイプ化する危険性がかつてないほど高まっている。そのような事態は何としても避ける決意だ」

 中国移動(China Mobile)の会長を務める王建宙氏も、15日の基調講演の中で同じような意見を述べており、この落とし穴にはまらないために技術革新を続けるよう通信事業者に提言している。

 しかし、もはや手遅れだと考える通信事業者もいる。

 「モバイル通信事業者はダムパイプになりつつある」とソフトバンクの代表取締役社長を務める孫正義氏は、16日に行った基調講演の中で述べた。「これが気の滅入る現実なのだ」

 実際、NTTドコモの山田氏は、ユーザーがさまざまな言語で話した内容を自動翻訳するサービスを、同社が提供する可能性について語った。たとえば、日本人がNTTドコモのサービスを利用することで、スペイン語を話す友人と会話ができるといったものだ。

 だが、Googleはこれと全く同じサービスを既に提供している。事実、巨大ウェブ企業のGoogleは、1年前のMobile World Congressで「Google Translate」アプリケーションを披露しているのだ。山田氏は、生き残るための戦いは簡単ではないことを認めながらも、これは通信事業者が絶対に勝たなければならない戦いなのだと述べた。

 「理論上は、(この翻訳)サービスを通信事業者のクラウドサービスの一環として提供することも、サードパーティーを介して提供することも可能だ」と山田氏は言う。

 「これは陣営間の競争だ。だが、われわれはネットワーク通信事業者として、ネットワークの能力について知るには最も有利な位置にいる。この競争には負けない覚悟だ」と山田氏は決意を語った。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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