JavaScriptは、ブラウザベンダー間で激しい競争が行われる機能になっており、各ベンダーが独自のブランド名を付けるまでになっている。V8に対抗するのは、Microsoftの「Chakra」(IE9で導入)、Appleの「Nitro」、Operaの「Carakan」、そしてMozillaの「JaegerMonkey」(Firefox 4で導入)だ。
JavaScriptのパフォーマンスは重要だが、それはブラウザの品質の一面に過ぎない。ほかに挙げられるブラウザ品質には、WebGLの3Dグラフィックスといった新機能のサポートや、グラフィックスとテキストの高速表示、プライバシーとセキュリティ、重要性を増す書式設定技術CSSの処理速度、ウェブページの要素の階層構造を表すDocument Object Model(DOM)とのやり取りのパフォーマンスなどがある。
こういった分野はかつてないほど注目を集めている。そして、何が重要になっているか明確でないというなら、Googleの「Google Chrome OS」と「Chrome Web Store」さえ見ればいい。前者はウェブアプリケーションのみを実行するブラウザベースのOSであり、後者はウェブアプリケーションを探して購入できる配布メカニズムだ。
ウェブを単なる静的なウェブサイトではなく、アプリケーションの基盤に変えようというGoogleの野心が、どの程度の成功を収めるかについては、かなりの不確定要素がある。しかし、それほど不明確ではないこともある。それは、人々の仕事と私生活のより多くの部分が、ブラウザ内での作業に費やされるようになってきていることだ。この傾向は、パフォーマンスの向上によって実現したものであり、同時に、さらなる進歩を促してもいる。
前述のプログラマーらは、「Gmail」の読み込み時間の短縮を特に指摘している。筆者もここ数カ月、Gmailの読み込み時間が耐えられないほど長いと感じていた。しかし、筆者がストップウォッチを使って(あまり信頼性の高くない)テストを行ったところ、CrankshaftでのGmailの読み込み速度は、実際には以前よりも遅いことがわかった。Gmailを5回読み込んだ場合の平均読み込み時間は、「Chrome Canary 10.0.603.3」が2.4秒だったのに対し、Chromeの最新の安定版である「Chrome 8.0.552.215」は2.1秒だった。とは言うものの、このテストの結果にはばらつきがある(2秒未満もあれば3秒を超えることもあった)ため、この結果をあまり深く考えないことにする。
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